イタリアのかかとってどんなところ?

イタリアのかかとってどんなところ?

"Cartoline dal Salento" = サレントからの絵はがき

南イタリアのサレント。
その土地や、そこで人生を謳歌する人々の姿をイキイキと感じられる絵はがきの
ようにお届けしたい、そんなイメージでスローライフなブログを綴っています。
サレント郷土料理のレシピやイタリア語のワンポイントレッスンも登場します。
どうぞごゆっくり、楽しんでいってくださいな^^

2010/02/18

イタリアのカーニバル「Carnevale」は究極のダイエット?!

みなさんこんにちは☆
2月もなかばを過ぎましたが、寒い日が続いてますねぇー


イタリアの2月はカーニバルの季節で、全国でカーニバルが約2週間にわたって続き、パレードなど盛大なお祭りが各地で開かれます。今回はそのイタリアのカーニバル = "Carnevale(カルネヴァーレ)"についてご紹介したいと思います♪


カレンダー上の日付は毎年微妙にずれるようですが、今年のカーニバルは2月16日まで、ということは今週の火曜日が最終日でしたね。
「カーニバル」といえば世界を見渡すとやはりブラジル、リオのカーニバルが有名ですが イタリアも負けておらず、ヴェネツィアのカーニバルはたいへん有名ですからご存知の方も多いのではないでしょうか?
じつはその他にもイタリア各地でカーニバルが盛んに行なわれていて、北イタリアIvreaの有名な「オレンジ投げ合戦」などもこのカーニバル期間中に開かれるイベントの一つで、各地方や街それぞれにカーニバルの個性がよく出ていますよねー
英語のcarnivalは日本語で「謝肉祭」と訳されたりもするそうですが、イタリア語の carnevale(カルネヴァーレ)という言葉を分解してみますと…
carneカルネ=「お肉」の意) + valeヴァーレ = 「なくす」を意味するlevareから派生)、つまり「お肉の食べ納め」とか「お肉断ち」といったニュアンスでしょうか?おもしろいですねー。一体どうしてお祭りにこういう名前がついたのでしょう?



かつては毎春のイースター(復活祭、イタリア語でPasqua パスクァ)の前の40日間はお肉や卵を食べないというキリスト教の習慣があったそうで(今ではこの"断肉食"をあんまりまじめに守ってる人はいないと思うけど…)、それはベジタリアン以外の人にとってはやっぱりなかなかキツいことですよねぇ、1ヶ月以上ですから。それで、このお肉を食べられない40日間の直前約2週間に思いっきりお肉や卵を食べて、みんなでお祭り騒ぎしよう!というのがカルネヴァーレの趣旨というかはじまりだったようです。


Fraccia:  たくさん食べるので、カルネヴァーレの最終日を伝統的にイタリアでは "Martedi' grasso (太った火曜日)" と呼んでいるの(笑)
Maccia:  へぇー知らなかった!なんだかその名前を聞いただけで日本の「正月太り」より凄そうだよねぇ。。^ ^;


もともと古代ギリシャやローマ時代にも、キリスト教以前からすでに、2月頃にこの時期だけ特別にハメをはずして、食べたり飲んだりドンチャン騒ぎをする風習があったそうです。
きっと寒くて気が滅入りがちな冬に、街のみんなと一緒に楽しく盛り上がって春の到来を呼び込もうとした、というのがもともと土着の風習の姿だったのではないかなぁ…?そう思うとなんだかカルネヴァーレで騒いだ昔の人の気持ちがわかってくる気がします。


ヴェネツィアのカーニバルはさきほど書いた通りたいへん有名ですが、イタリア各地で行われている現在のカルネヴァーレの基本スタイルが確立されたのもヴェネツィアの街で、1094年には既に開かれていたという記録が残っているそうです。
当時の社会で下層にいた貧しい人々をはじめ日頃から圧政に不満を抱いていたヴェネツィア市民の気持ちを察して、当時の市長がローマ時代からの風習に注目し、無礼講でドンチャン騒ぎを許したお祭りがカルネヴァーレのはじまりでした。これがヴェネツィアから他の街にも広まっていったんですね。


やっぱりカーニバルというからには、イタリアのカルネヴァーレでもパレードは欠かせません。仮装した人たちの行列とともに、carro(カーロ)とよばれる大きな山車が街中をパレードしてまわり、その出来映えは人気投票のコンテストで審査されます。


カルネヴァーレのもっとも大きな特徴はお祭りの参加者がみな maschera(マスケラ=仮面)をつけたり扮装していることです。マスケラをしているときだけは、身分の高い人も低い人もお金持ちも貧しい人も、老若男女だれしもが平等になることができ、階級社会のルールにとらわれず自由に遊ぶことができたというわけです。
またカルネヴァーレの期間中だけは、権力者に対する政治的な風刺も許されていたといいます。当時の中世ヨーロッパといえば、一般市民には自由がほとんど許されていなかったようなご時世ですから画期的だったことでしょうねー
「仮面」というとなんだか怪盗とか怪人とかちょっと怖いようなイメージを連想しますが、当時のマスケラは自由や平等の象徴だったと言えるのではないでしょうか。ヴェネツィアのマスケラって見た目がなんだかコワいけどなぁ…


現在でもカルネヴァーレのときにマスケラをかぶって正体を隠した見ず知らずの人に、街でいきなりイタズラされたりしますが(通りで通行人の頭を柔らかい棒で叩いたり)、イタリアにはこんなことわざがあるんですよ。 "A carnevale ogni scherzo vale. (ア・カルネヴァーレ・オンニ・スケルツォ・ヴァーレ) "  = 「カーニバルではなんでも冗談が許される」。。。


Fraccia:  マスケラをしている人が何者かまったくわからないから、マスケラをつけた人に出会ったときは "Buongiorno, signora maschera. (ブォンジョルノ・シニョーラ・マスケラ) " とあいさつするんですよ♪  
Maccia:  カルネヴァーレでないときにマスケラをかぶった人に会ったら "Aiuto! (アイゥート = 「助けて!」)" と叫んだほうがいいですよ^ ^


Fracciaの地元サレント半島でもたくさんの街でカルネヴァーレのお祭りが毎年行なわれますが、もっとも有名なのはGallipoli(プーリア州レッチェ県ガッリーポリ市)のカーニバルでしょう。
(ガッリーポリのパレードで見た山車。これは映画『シュレック』がテーマの山車のようですね)
ここのカーニバルでは "Lu Tidoru (ル・ティドール)"という伝説上の人物が毎年かならず登場するのですが、昔話によると。。。「ティドールという名のGallipoli出身の兵隊さんがカーニバルの休暇でGallipoliの街に帰ってきた。これからPasquaまでの40日間お肉が食べられないのは寂しいと、カーニバルの終わりの日に好物のソーセージ(イタリア語で "salsiccia サルシッチャ" ) をたらふく食べたのだけれど、あまりに食べ過ぎてそのまま息絶えてしまった」。。。なんてちょっと一風変わった悲しい話。食べ過ぎ注意や反戦を語った寓話か?はたまた実在の人物による実話なのか? どちらにせよ、なぜその人物がカーニバルの主役的キャラをつとめるのか…?? ナゾだらけですねぇー
それにしても、文字通り「死ぬほど」ってどれだけ食べたんでしょうね…?!


その次にサレントで有名なカーニバルといえば、Martignano(マルティニャーノ)のカルネヴァーレでしょう。
レッチェに近いこの田舎町のお祭りには、Fracciaも小さい頃から家族や友達と仮装パレードに参加したことが何度もあるんですよ。
この写真はFracciaが9才のとき、友達の小さいペンギンさんたちと一緒に行進しています、みんなかわいいですねー^ ^
サレントのカルネヴァーレの仮装はとても自由で手作り感がたっぷり、『欽ちゃんの仮装大賞』みたいでたのしそうでしょ♪
こちらはパレード会場までオリーブ畑の農道をトラクターに引かれているお城の山車。のどかな雰囲気が伝わってきます(笑)
 左端のベビーカーを押してる小さなペンギンちゃんがFracciaです、見えますかー?^ ^


それからサレントの方言で "Lu Cannarutu(ル・カンナルートゥ)" とよばれる、カーニバルの季節のサレント地方にだけ見られるちょっとおもしろい風習があります。殻をむいたゆで卵をヒモにぶら下げて、それを子どもたちが手を使わずに(パン食い競走の要領で)食べるというものです。これからひと月以上もお肉も卵も食べられないので「いつも普通に食べている卵ひとつだって本当は貴重でありがたいものなんだよ」ということなのか?「子どもに卵1コでも多く食べさせてあげたい」ということだったのか?  そんなこまかいこと抜きに、楽しいからやる!っていうのが本当のところでしょうね^ ^


Fraccia:  どうってことのない小さなゲームみたいな伝統だけど、それぞれ親子がこれを楽しんでるのって、ほのぼのとしてるでしょ?案外むずかしくて面白いから挑戦してみて^ ^
Maccia:  うん、子どもだと口も小さいからツルツルすべっちゃったりね(笑)Lu Cannarutuは、日本でいうところの、家で節分の豆まき(ちょうど同じ2月だし)をするのと同じような感覚なのかもねぇ。


カーニバルが終わったら春のパスクァ(復活祭)までの40日間はお肉も卵も一切食べない…なーんてことを今どき守っているイタリア人はいませんけど、カーニバルの期間中にたくさんごちそうを食べた分、40日間くらい粗食で過ごしたらいいダイエットになるかも…?!


Maccia:  じゃあウチも来年からカーニバル式ダイエット取り入れようかな?
Fraccia:  どうせMacciaはカーニバルの2週間たくさん食べ溜めしちゃうだけでしょー?
Maccia:  そうかもね^^;) いちおう確認だけど、お肉と卵がダメな間も魚は食べていいんだったよね??


いやいや、やっぱりカーニバルではなにも気にせずいっぱい食べてパレードを楽しむのが一番^^
寒い日が続いてますが、みなさん気持ちはカーニバルで♪温かくいきましょうね♪
それではまた次回、alla prossima!  Ciaooooooo!


★ 次回予告 ★
カルネヴァーレのとき、毎年イタリアのお母さんたちが作るchiacchiere (キアッケレ)という伝統のお菓子があります。
次回は、とっても簡単に作れるこのキアッケレ、サレントに住むFracciaのマンマのレシピをご紹介します。お楽しみにー☆


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