イタリアのかかとってどんなところ?

イタリアのかかとってどんなところ?

"Cartoline dal Salento" = サレントからの絵はがき

南イタリアのサレント。
その土地や、そこで人生を謳歌する人々の姿をイキイキと感じられる絵はがきの
ようにお届けしたい、そんなイメージでスローライフなブログを綴っています。
サレント郷土料理のレシピやイタリア語のワンポイントレッスンも登場します。
どうぞごゆっくり、楽しんでいってくださいな^^

2010/03/29

簡単おいしいレシピ♪ イタリアのおつまみ「Pittule」

Ciao a tutti!


今日はFracciaの誕生日でーす!日本やイタリアや世界中からお祝いのメッセージをくださった皆さんありがとうございまーす!!^^
compleanno (コンプレアンノ) = 誕生日
auguri! (アウグーリ) = おめでとう!


昨日からイタリアではサマータイムに入り(毎年3月最後の日曜から9月最後の日曜まで)から、日本との時差は昨日までの−8時間から−7時間になりました。
イタリアでは今朝目が覚めたらみんな時間を1時間早く進めて、つまり昨日一日だけ1時間短縮させて一日23時間とし、時間調整するわけです。イタリアは日本と比べてだいぶ緯度が高いですから(南イタリアのレッチェでさえ緯度は仙台より北にあります)、これからどんどん日が長くなってくると生活の中でサマータイムのメリットがありますよね♪

ところでみなさん、イタリアでレストランに行って食事をすると、そのボリュームの多さに驚いたなんて経験はありませんか?
おおまかにいうとイタリアの食事では、Antipasto(アンティパスト = 前菜)→ Primo piatto(プリモ・ピアット = パスタものなど主食の一品)→ Secondo piatto(セコンド・ピアット = 肉類などメインディッシュの一品) + Insalata(インサラータ = サラダ)などの contorno(コントルノ = 付け合せ)→ そして最後に Dolce(ドルチェ = デザート)と順番に食べますよね?
それをゆっくりと時間をかけておしゃべりしながら食べるわけですが、プーリア州とくにサレント地方では、最初に出てくるantipastoの種類が豊富で量も多いため、プリモやセコンドがテーブルに上がる前にすでに満腹感におそわれる…なんてこともありますから、レストランで注文するときはantipastoを何人かでシェアするのが普通かな?頼みすぎにはご注意を☆


しかしやっぱりプーリア州の食事において名物の一つがこの前菜なので、"antipasti misti(アンティパスティ・ミスティ)= 前菜の盛り合わせ" の魅力には逆らえず、レッチェの地元で外食するとFracciaMacciaはだいたいいつも注文します。みんなでシェアするのは楽しいし♪ (っていうのが毎度の言い訳^^)プーリアに行ったらみなさんもぜひ!


さーてさて!前置きが長くなってしまいましたが今回は、そんな南イタリア料理でおなじみのアンティパストのひとつ、"Pittule(ピットゥレ)"の作り方をご紹介したいと思います♪ 


Pittuleはサレントの伝統的な料理ですが、お隣のバシリカータ州(Regione Basilicata)やカンパーニャ州の一部などでも昔から作られ親しまれています。Pittuleという料理の名前は違うでしょうけど。
伝統的には「Immacolata」(イッマコラータ)という12月8日のお祭りの時にだけ食べていましたが、現在ではイッマコラータの時だけでなく、一年中いつでもアンティパストとして食べられています。だっておいしいから、そりゃあ1年に1回だけじゃもったいないですもんねぇ^^


それではさっそくクッキングスタート!パチパチパチーッ



まずは材料と分量から♪


A(生地の材料)
・ 小麦粉(薄力粉): 300g 
・ 水: 750ml
・ ドライイースト: 大さじ1杯
・ 塩: 適量
・ 揚げ油




つづいて生地の作り方いってみましょー♪


① まず、ボールに小麦粉を入れます
② 水を少し温めて(電子レンジで20秒ぐらい)、そこにドライイーストと塩を溶かしながら混ぜます。
③ ①のボールに②の水を少しづつ加えて、スプーンでよく混ぜます。
  注)生地はドーナッツを作るときの生地よりもう少し水っぽいくらいですが、季節など気温や湿度によって必要な水の量が変わるので、調節が必要です(空気が乾燥している日や季節ならば、水を少し多めにするetc.)。
④ キッチンクロスなどでボールにフタをして、3時間ほど寝かせます。


B(味つけ=具の材料)
・ 缶詰のホールトマト: 1個
・ アンチョビ:3切れ(単位がよくわかりません…"身"といった方がいいかな?) 
・ ケッパー:10粒ぐらい
・ 生のり:お好みの量


中に入れる具は地域や各家庭によりいろんなバリエーションがあるので、基本的にはお好みのものを入れてオッケーですよ♪
でもせっかくですから本格的な南イタリアの味にしたいですよねー?
サレントの伝統的な作り方だったら、具は pomodori (ポモドーリ=トマト)、capperi(カッペリ=ケッパー)、acciughe (アッチューゲ=アンチョビ)cavoli (カーヴォリ=カリフラワー)、 baccala`( バッカラ=干し鱈) などを入れます。もう一つの食べ方としては、プレーン味のピットゥレを作って、出来上がってからVincotto(ヴィンコット)をかけて甘くします。これもまたひと味違ってデザート感覚でおいしいですよ!^^


 それじゃあ今回はFracciaMacciaと一緒に3種類の味に挑戦してみましょう♪
【1】Pomodori(トマト)+ capperi(ケッパー)+ acciughe(アンチョビ)


【2】Alghe(アゥゲ=生のり) 近所のスーパーでとても新鮮な浜名湖産の青海苔を買いました、いい香りです!


【3】Vincotto(ビンコット)をかけただけのプレインのピットゥレ




では、作り方のつづき、具と生地を混ぜるところからいってみましょー♪
⑤ 生地を3時間寝かせると、倍以上にふくらみます。
⑥ スプーンで混ぜて、三つの味ができるように、生地を三つに分けます。
⑦ 缶詰のホールトマトを一個とアンチョビを細かく刻みます。生地の3分の1をトマト、アンチョビ、ケッパーに加えて、スプーンでよく混ぜます。オレガノもちょっと加えると香りが一段と良くなりますね☆


⑧ 生のりももうひとつ別の器で生地と混ぜ合わせます。

  だいたいこんな感じで、揚げる前の準備完了でーす♪








⑨ そしていよいよ、スプーンで適量をすくって、熱した油 (170〜175℃)に入れます!


生地は水っぽくて柔らかいので、FraicciaMacciaはスプーンを使ってすくいますが、サレントのベテランのマンマ(お母さん)たちは、ピットゥレ5個分ぐらいの生地を一度に右手ですくい取って、それを左手でちぎりながら熱した油の中にポンポンと入れていきます。見ていると簡単そうなんだけど、実際にやってみると難しいっ!その技術にいつも見とれてしまいます。
でもでもご安心を!スプーンでやってもちゃんとできますからね♪ 生地を油に入れた瞬間にプゥーッと膨らむ様子はかわいくて見るのも楽しいですけど、揚がりすぎに気をつけて^^




⑩ 生地を油に入れるとすぐに浮かんできて、プゥーっとふくらんでくるので、いい色がついたなぁーと思ったらサッと一回ひっくり返してもう片面もサッと揚げたら、ホラもう出来上がりでーす♪




ヴィンコット味の場合には、揚げてからアツアツのうちにヴィンコットをかけましょう。ヴィンコットがなければ、、、粉砂糖をかけて甘くするのもありですよ。けどやっぱりヴィンコットが一番ですけどねぇ

揚がるのがすごく早いので、「ピットゥレ」という言葉はサレントの方言で「サッと早くできること」の意味でも使われているんですよ!

たとえばこんな表現で。。。
"E cce ssu pittule?(エ・ッチェ・ッス・ピットゥレ)" = イタリアの標準語でむりやり書くと、"E che sono pittule?"、これまた無理矢理にニュアンスを標準語で伝えると、さしずめ "Non e' cosi facile."といった意味ですが、サレント独特の表現ですから標準語では表せません!^^;
 日本語に直訳すると「これはピットゥレだと思っているの?」という意味で、転じてつまり「そんなにすぐ出来るほど簡単じゃないよ」というような意味になります。
どうですか?おもしろい表現でしょう?この表現は正真正銘、サレントでしか通じませんからね、しかし逆にこれをサレントで使ったら地元の人に驚かれて感心されることまちがいなしですね(笑)
皆さんも一度ピットゥレを作ってみたら、きっとこの表現の意味がすぐ分かると思います。なにせピットゥレ作りはとにかく簡単なんですから!


おっとちなみに、揚げ物なので油っぽく重くなるのはできるだけ避けたいですよね?そのためには思い切って油の温度を180℃くらいと高めの温度で短時間で揚げるとカラッとするかもしれません♪
揚げたてアツアツのピットゥレ(pittule)をハフハフしながら頬張るのはおいしくてたまりません!
断面はこんな感じ、揚げたてのフワフワ&サクサクがたまりませーん。。


ビールによく合います!「料理」というよりは完全に「おつまみ」ですね^^


では皆さんご一緒に、いっただっきまーーす!
Buon apetito a tutti!!




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2010/03/25

自転車大国イタリア 〜 Giro d'Italia 〜 村に自転車レースがやってくる!

Ciao a tutti! Come state? みなさんこんにちはー☆お元気ですか?

約2週間ぶりのごぶさたです!
FracciaMacciaは東京から大阪に戻ってからずっと仕事や遊びでとっても忙しい時間を過ごしていました♪ ようやくブログが書けるっ!ワーイワーイ(^O^)/

こないだの3連休は東京から友人が遊びに来てくれて、FracciaMacciaは一緒に瀬戸内海の「しまなみ海道」を自転車で走ってきたんです☆
 広島県尾道市〜愛媛県大三島の往復を2日間で100km超!初日の往路は15メートルを超える大風(ずーっと向かい風でした!)のために目標だった今治行きを泣く泣く断念しなければならず、、、だけどそのかわり、地元のお姉さん達がオススメしてくれた大三島の瀬戸内海に面した珍しい海水温泉に入って美しい夕日を眺めたら、体も心も癒されました^^
そして2日目の復路は風がすっかりおさまりぽかぽか陽気で、自転車専用道路も整備されているしまなみ海道を安心して走り、とっても楽しいサイクリングになりました♪ 



そして自転車といえば、イタリアもスポーツとしてのサイクリングがとても盛んな国ですね!

世界の三大自転車ロードレースといえば、フランスの"ツール・ド・フランス"、スペインの"ブエルタ・ア・エスパーニャ"、それから毎年イタリア各地を舞台に繰り広げられる "ジロ・ディターリア (Giro d'Italia)"。

毎年5月に、約3週間かけて全長3000km以上をイタリアの南から北まで各地を駆け抜け、レースの様子はイタリア全国にテレビ放送されるんです。1909年の第1回大会から第一次・第二次世界大戦による中断を経て、今年2010年は第93回大会が開かれます。
写真右: 今回のコース、スタートはなんとオランダのアムステルダムになってますね!黄色く塗られたプーリア州内では、州都バーリ (Bari) 近郊のビトント (Bitonto) の街などがコースに含まれていますね♪ 残念ながらサレントは今回のコースに入らなかったようですが…


平坦なコースと山岳コースの組み合わせで、毎年そのコースは新たに設定されるんですが、コースが発表されるとその沿道になる街や村々では、「わが街にジロがやって来る!」ということでたいへん盛り上がります。
レースが通る当日はもう街中がお祭り騒ぎ、村々がこぞって沿道での応援にも熱が入るんです。

Fracciaの実家があるレッチェのカリメラ村(Calimera)も、2003年のジロ・ディターリアでそのコースの一部となったことがあり、ちょうどFracciaの家の目の前の道を自転車に乗った選手たちがビュンビュンと駆け抜けるのをお父さんや家族のみんなが応援したそうで、今でもその様子を思い出して話に花が咲きます^^ 
オリーブの樹々とサボテン (fichi d'India フィキ・ディンディア = 「インドのイチジク」と呼びます)の間を駆け抜ける選手たち、いかにもサレントらしい風景ですねぇ(笑)


この時はジロ・ディターリアの栄えある開幕ステージで、2003年大会はレッチェをスタート地点とする、ゴールのミラノまで総距離3,449kmのレースの初日でした。
"Giro del Salento (ジロ・デル・サレント)" と銘打たれたこの第1ステージは、レッチェ市中心をスタート/ゴール地点とする、サレント半島の海岸沿いにぐるっと1周する201kmにおよぶコース。この日のレースで最後の最後にゴール前でラストスパートをする先頭集団から頭1つ抜け出して1番にゴールしたイタリア人選手はなんと5時間16分3秒!いくら平坦なサレントとはいえ、さすがジロ・ディターリアの自転車って速いんですねぇーっ(汗)


写真上の全コースマップのうち、黄色い円で囲んだ部分が第1ステージのジロ・デル・サレントで、これを拡大すると写真右のようになります。見えにくいですが、黄色い点のあたりがFracciaの実家のあるカリメラ村 (Calimera) になります。サレント半島南端のサンタ・マリア・ディ・レウカ (Santa Maria di Leuca) から、コース後半は東側の海岸線を北上するコースは景色がよくて、選手たちもさぞや気持ちがよかったことでしょうねー^^


写真左: サレントで行われたGiro d'Italiaの第1ステージのコース高低表。かなり平坦なコースだってことがよくわかりますよね!
ちなみに自転車のことをイタリア語で、bicicletta (ビチクレッタ)、普段の会話では省略して 「bici (ビチ)」と呼びます。
自転車に乗る選手のことはイタリア語で、ciclista (チクリスタ) といいます。

サレント半島をはじめプーリア州を別として、ツールドフランスやその他のレースと比べると、ジロ・ディターリアは北のドロミーティ(Dolomiti)地方のあるアルプス山脈(Alpi)や中央部のアペニン山脈(Appennini)など山岳コースが多く、とても過酷な上り坂や寒さと戦わなくてはなりません。
総合成績1位の選手には"Maglia rosa (マッリャ・ローサ)"と呼ばれるピンク色のジャージを、そして山岳ポイント1位の選手には"Maglia verde (マッリャ・ヴェルデ)"と呼ばれるグリーンのジャージなどなど、カテゴリー別の賞にはさまざまな色のジャージが与えられ、みんなの憧れの的なわけです。

それからもう1つ、"ジロ" の大きな特徴として、最近ではどのレースも国際化して選手の出身国が多様化しているにもかかわらず、このジロ・ディターリアの場合は地元イタリア人選手が優勝する数が圧倒的に多いんです。実際1997年〜2007年は11年連続でイタリア人選手が優勝していて、これはとーっても珍しいことなんです!
それだけイタリア国内での人気やステータスが高いレースで、イタリア人選手はとにかく毎年このレースで優勝することを最大の目標にしているといいますから、思い入れが強いということなのでしょうねー!


2007年のイタリア人選手優勝以来、一昨年2008年大会はスペイン人選手、昨年2009年大会はロシア人選手と、2年連続で総合優勝を逃して悔しい思いをしているであろうイタリア人選手たち。今年はどんなドラマが待っているのか?今からワクワク待ち遠しいです♪


イタリアにおける自転車ロードレースというのは、同じ持久競技で人気があり実業団チームやプロチームが存在するという点では、日本でいうとマラソンや駅伝のような位置づけと言ったらいいのかな?とも思いますが、ジロ・ディターリアのような長い伝統と特別なステータスという意味では比較するのは難しいかもしれません。


有名なレースや選手だけでなく、もちろん自転車作りもイタリアには、創業130年の歴史を誇る老舗"Bianchi"をはじめ、"Gios"、"Colnago"、"Pinarello"、"De Rosa"などなど数えきれないほどの一流自転車メーカーがあります。最近は日本でも自転車愛好家が増えて、イタリア製のかっこいい自転車たちが日本でたくさん走る姿を見るようになりましたね♪ 


FracciaMacciaはそんなに高い自転車には乗っていませんが(かわいいMarukinのママチャリとかっこいいScottのマウンテンバイク^^)、自転車は健康にもよくてエコロジーだし、なんといっても風を切って走ると気分がすっきりできるところが大好きで、皆さんにもオススメですよ♪
これから暖かくなったらいかがですか?くれぐれも安全運転でいきましょーね☆


サレント半島のアドリア海沿岸を、きれいな海を眺めそよ風に吹かれながら自転車で走るのは本当にサイコーです!最近サレント地方でも、村々を結ぶオリーブの木のルートや海岸近くなど、自転車専用道路が整備されてきているので、プーリア州南部やレッチェ方面へ個人旅行で個人旅行を計画される方は、自分の体で大地や空気そして時間の流れを感じられるようなサイクリングなど、こういう楽しみを取り入れてみるのもいいかもしれませんよ♪


週末は晴れそうなので、FracciaMacciaはまた自転車でお出かけしようかなー♪と思ってます^^
それではまた次回お会いしましょう!
Alla prossima! Ciaooooooo!!!


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★ 次回予告 ★
ズルズルと先延ばしになってしまっていますが^^; 次回こそはサレント料理の簡単レシピをお届けしたいと思います。お楽しみにー!

2010/03/12

世界中からおいしい食材が大集合! 「FOODEX 2010」

Ciao a tutti! Come state? みなさんこんにちは☆お元気ですか?


FracciaMacciaは昨日2週間ぶりに大阪に戻ってきました♪
ブログの更新も1週間ぶりになってしまいましたが、先週千葉県の幕張メッセで国際食品展示会「FOODEX」が開かれていて、僕たち2人はそこに出展するためイタリアからやってくる企業や組合団体のお手伝いをするお仕事をしに行っていたんです。

その後は週末に群馬県で仕事をしているイタリア人の友人たちを訪ねて一緒にスキーとスノボをしに行ったりと、忙しかったですがとっても充実して楽しい関東滞在でしたー♪ 

FOODEX(フーデックス)は「アジア最大級の」とうたわれている通り、とっても大きな食品展示会で世界中からいろいろな食材や飲料が大集合します。毎年3月のビッグイベントで、イタリアからも多数の企業が出展しにやってきます。FracciaMacciaにとっても毎年恒例で楽しみにしている仕事なんです。

そのイタリア企業の出展ゾーンは例年と変わらず1、2をあらそう大きな規模でかなり活気がありましたが、今年は不況のあおりなのか、、他の地域や国からの出展企業にあまり活気が感じられなかっただけに、イタリア勢の元気良さがすごく目立ってましたね。
(場内は撮影禁止となっていたのでネット上から転用した写真ですが、こんな感じです)

イタリアからは、やはりオリーブオイル・ワイン・パスタ・生ハム・チーズ関連の出展が多かったのですが、例年に比べるとオーガニックのものやマクロビオティクスなど健康に気遣った食材がますます注目を集めている印象でした。プーリア州やサレント半島からも、ワインやオリーブオイルそれから以前の記事でご紹介したサレント名産のvincotto(ビンコット)などの企業が10数社、出展していました♪ 皆さん大盛況でしたよー♪ レッチェの方言も聞けたり、FracciaMacciaはなんだか懐かしく和んでしまいました^ ^

今回はとっても短くてすみません^^;) 次回はサレント料理、とっても簡単でおいしいおつまみレシピをご紹介したいと思います。お楽しみにー☆



Ciaoooo!

2010/03/05

レッチェの伝統楽器 Tamburelloの作り方

Ciao a tutti! Come state?
みなさんお元気ですかー?
今日FracciaMacciaは当ブログの読者登録もしてくださっている、仲良しのイタリア愛好家Yoshikoさんと東京でお食事をしてきましたー♪ "Joscikoさん"ありがとー♪♪♪
お会いしたのは人形町にあるFracciaMacciaのオススメの窯焼きピザ屋さん。あっという間の2時間でしたね!次はいつになるのかわからないけれど、また早くお会いするのが楽しみです♪ 今度はハワイアンバンドのお話ももっと聞かせてくださいね^^




さーて前々回と前回の2回にわたりレッチェのタンバリン作りの名人 Pantaleo Marra さんをご紹介しましたが、今回はそのPantaleoさんの tamburello作りを、実際に見せてもらうことにしましょう♪  「タンバリン」というと、カラオケとか幼稚園などで誰しもが”演奏”した経験があるでしょうし、ちょっと楽器と呼ぶのはどうなの?なんて思われてしまいそうですが侮るなかれ!南イタリアの名人が作るタンバリンはすごいんです!見た目も音色も美しいんです!タンバリンがんばれーパチパチパチー! ^ ^





『南イタリアの伝統打楽器、タンバリンの作り方』


① 皮を石灰水に浸ける
ヤギ(長毛)、子羊または羊(短毛)の皮を使います。Pantaleoさんの場合は、同じ村のお肉屋さんなどから毛皮をひきとって使っています。
毛を皮から取りやすくなるようにするため、石灰水に1週間から10日間ほどじっくり漬けておきます。レッチェ特産のレッチェ石があるように、このサレント地方は石灰質の大地ですから、石灰水のもととなる石灰はいくらでも手に入りますね♪






② 皮の毛を削ぎおとす
壁に打ちつけてあるたくさんの釘に、皮を引っ掛けてはりつけ、江戸時代の職人さんが使っていた「ちょうな(手斧)」のような(巨大な一枚刃のひげ剃りのよう)鉄の道具で、まず皮の外側の毛を取ります。石灰水に浸けてあったので、気持ちいいほどにスルスルと毛が取れます。皮の外側がTamburelloの打つ側の面になります。つづけてひっくり返すと、今度は内側の脂をとります。
そうしたら水に漬けて皮から石灰をしっかりと抜きます。








③ 皮を乾かす
皮を乾燥させるとき専用の、四角い木枠にはりつけて、日なたで乾かします。夏だったら一日、冬だったら一週間ぐらいで乾燥、プーリア州南部の伝統舞踊 "pizzica" など激しいリズムの演奏にも耐えられる、しなやかで丈夫な皮ができあがります。


④ タンバリンの胴枠を作る
円形の木枠、タンバリンの本体といえる部分ですね♪ 材料はおもにブナの木が使われています。ブナ材はヤスリがけした後、長く変色せず白く美しい色を保つことができ、また作るうえでも、しなやかで曲げやすく乾燥しても裂けにくいということで、タンバリンには最適なんだそうですよ。
機械で木の板を帯状に切って、丸くします。釘と接着のりで板の端と端をとめて円い胴枠を作って、紙やすりで角っこを滑らかにします。
胴枠を横に置いてみたとき、水平に切って、二つの円枠に分けます。2つのうち幅の広い方はタンバリンの胴枠本体となり、もう1つのひとまわり小さい方は、胴枠本体の内側に釘とのりで取りつけて、同枠を補強する役割をします。
そうしたら、胴枠の上面のフチを鉋とヤスリで磨き滑らかにし、タンバリンの命である皮が切れたり傷つかないようにします。


このように胴枠の補強にはさまざまな工夫がされているんですねー。激しい演奏に耐えられなければならないのはもちろん、このあと胴枠に皮を張りつけてからさらに乾かす工程でも、皮って乾くときの縮む力が想像をはるかに超えて強いようで、胴枠本体を壊してしまうこともあるのだそうですよ!

⑤ Sonagli(ソナッリ)を作る
ソナッリとは、タンバリンの 胴枠につける金属製の2枚板。いわゆる"シャンシャン"という音のする部分のことです。
小型のシンバルのように、金属製の板が2枚合わさった形をしています。昔は金属の代わりに本物の二枚貝が使われていましたが、現在は主にスズや胴や鉄など様々な素材の金属を、ドラム缶やオルガンはたまた調理器具などから再利用して使っています。さすがエコロジーな職人のPantaleoさんですね☆
もちろん今でも特別なものには、海で集めた貝殻を使っているそうです。世界中の観光客を魅了する美しいサレントの海辺で拾ってきた貝殻とは、これまたエコロジー&ロマンチックですねー^ ^
ソナッリは手押しの穴あけ機を使い、まず金属板から丸くくり抜きます。それにハンマーとノミを使って十字の折り目をつけると。。。ただくり抜いただけの金属板では2枚叩きあわせても音が響かなかったのに、このような加工を施すことによって金属板同士を重ね合わせた時に空間がうまれ、それにより音が共鳴し、ずっと良く響くようになります。
さらに、これをガスバーナーの直火で20〜30秒ほど焼くと。。。こうすると金属が強くなり、音が驚くほど透き通って響くようになるんです!
うーん、さすがタンバリン作りのマエストロ!長年の経験がなせる技ですねぇー!









⑥ ソナッリ(Sonagli)を取りつけるための穴を胴枠にあける
胴枠に電動ドリル穴あけ台で穴を開けます。取りつけるソナッリの数はいつも奇数と決まっているんです。初心者用の標準サイズ、直径30センチのタンバリンだと9個のソナッリがついていますが、タンバリンのサイズにより取りつけるソナッリの個数もサイズも変わってきます。でもかならず奇数個を取り付けると決まっているのは、一体なぜでしょう??



? さぁー♪ 皆さんもご一緒に考えてみましょー♪


それでは正解です!
胴枠を水平に置いて横から見ると、上下交互に繰り返してソナッリを取り付けるのですが、タンバリンを手で持つ部分を挟んだ両端の上下が揃うようにして見た目の良さと重量のバランスを保っているから、なんだそうです。へぇー!繊細さに脱帽ですね☆
どなたか正解がわかった方はいますか??


⑦ 胴枠を仕上げる
胴枠のタンバリンを持つ部分に切りこみをいれて、持ちやすいよう窪みをつけます。
胴枠の下面、皮を張り付けない側も鉋とヤスリで磨き、演奏者が手を傷つけないよう滑らかにします。いやお見事、なんともいえない温かみの感じられる手ざわりです。この胴枠を手にしただけで、なんだか魔法にかかったようにタンバリンを上手に叩けそうな気がしてきます。。芸術に思い込みって大切だったり…しますよね?! ^ ^ 





⑧ 胴枠に皮を張りつける
②の工程で乾かした皮を、ふたたび水に漬けてもどし、柔らかくします。水に浸けて完全にもどすのには3時間ぐらいかかります。皮を少しでも無駄にせず、一枚の皮からなるべく多くのタンバリンが作れるよう様々な直径のサイズの異なる胴枠を組み合わせます。
ときに動物が怪我などによって、皮に傷がついていたりすることもあるため表面を入念にチェックします。
タンバリンに使う皮の部分を決めたら、皮を胴枠にのせて、大きいホチキスでガチャンと思いきりよく張りつけます。


昔ホチキスなどが無かった時代の100%伝統的な製法では、たくさんの小さい穴を胴枠にあけて、細い木材を差し込んで皮を止める方法もあります。
このあと乾く過程で皮が縮むことを計算して、この段階ではあまり強く皮を張りません。余った部分をカッターで切り取り、取りつけ部分が剥き出しになっている胴枠のフチを木枠またはリボン状の飾り布や細い木材の縁取りで覆って仕上げます。
皮が乾くにつれてその収縮力の影響で木製の胴枠が縮んだり歪になるのを防ぐため、胴枠の内側から木の支え棒を十字にあてがいます。
この状態で、まる1日ほど天日干しにして乾かします。












⑨ ソナッリを取りつける
⑤の工程で作ったsonagli(ソナッリ)を胴枠にとりつけて、できあがり!


タンブレッロの完成でーす!☆!☆!☆!☆!☆! 




いかがでしたか?もうここまでくると芸術品の域に達しているといっても過言ではないでしょう?

サレント半島のギリシャ系民族の末裔たちが暮らすGrecia Salentinaを中心に、サレント地方からプーリア州そしてイタリア全国へとどんどん人気が広がっている伝統の踊りPizzica(ピッツィカ)とその音楽を支えるtamburello(タンブレッロ)。 
レッチェ周辺ではお祭りの季節だけでなく、一年中を通して各地でタンバリンのワークショップ(講習会)や展示会などが開かれるほど身近かつ重要な楽器として地元のイタリア人の間に浸透しています。


Pizzicaをはじめとするサレント地方の伝統音楽やダンスなどについても、また別の機会にたっぷりとご紹介したいと思いますので、楽しみにしていてくださいね。


それではまた次回、おたのしみにー♪ 


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★ 次回予告 ★ 
今週末は都合によりお休みして、来週は旬のお野菜を使った南イタリア料理のレシピをご紹介しようかなと(今のところ^^)思っています♪  お楽しみにー!