イタリアのかかとってどんなところ?

イタリアのかかとってどんなところ?

"Cartoline dal Salento" = サレントからの絵はがき

南イタリアのサレント。
その土地や、そこで人生を謳歌する人々の姿をイキイキと感じられる絵はがきの
ようにお届けしたい、そんなイメージでスローライフなブログを綴っています。
サレント郷土料理のレシピやイタリア語のワンポイントレッスンも登場します。
どうぞごゆっくり、楽しんでいってくださいな^^

2010/02/28

サレントのタンバリン職人 Pantaleo Marraさん (後編)


Ciao a tutti! 今週末はあいにくの空模様でしたねぇ…これもきっと春が近づいてる証拠ですね♪ それはそうとチリの地震の影響で津波のニュースも飛び交っていましたが、皆さんの街は大丈夫でしたか?


さて前回から「サレントの人間国宝さん」シリーズ第2弾、タンバリン作りの名人 Pantaleo Marraさんをご紹介していますが、今回もそのつづきで後編をお届けしたいと思います♪
プーリア州第3の街レッチェ(Lecce) 郊外の小さな村、Calimera(カリメーラ)にあるPantaleoさんのタンバリン工房へさっそく遊びにいってみましょう♪


Buongiorno Pantaleo! Possiamo entrare?」てな具合でやって参りますと。。おー!やってる、やってる♪ Pantaleoさんの青い作業衣姿も、さすが「イタリアの職人さん」という感じで決まってますね。

工房はサレント地方の典型的な天井が高く窓の少ない平屋建てで、白いレッチェ石でつくられた建物にあります。古くてなかなかいい味が出ています。
工房の内部はドアなどの完全な間仕切りはないですが、おおまかに2つの部屋に分かれています。入ってすぐの、通りに面した方の部屋には木材の切断機など大きな機械がいくつかあり、そこから奥にいった方の部屋がメインの作業場になっています。
(写真右: 奥に見えている、Pantaleoさんの作業している方の部屋が、表通りに面しています)

ここには彼お手製の大きな鳥かごがあり、2羽のきれいなインコが元気よく鳴いて、いつもPantaleoさんとおしゃべりを楽しんでいるんですよ。 作業場には古めかしいラジオもあって、ここからは陽気なイタリア民謡などが流れてきます。
作業場の中央には大きな作業台があり、作りかけのタンバリンの木枠や乾かした皮などが積み上げられています。
壁沿いにも作業台がぐるっと取り囲んでいて、その上には小型の穴あけ機、トンカチ、のこぎり、かんな、やすり、釘、木工のり、貝殻のたくさん詰まった袋などが所狭しと置かれています。一見適当に置かれているようですが、Pantaleoさんはどこに何があるのかもちろんよく分かっていて、全く問題なさそうです。

やや薄暗い作業場から中庭に出ると、、、南イタリアの強い日差しで目がくらみそうなほどです。 そしてその中庭に出るやいなや動物的な匂いが鼻を刺激します! さらにそれと同時に目に飛び込んでくるのは、ヤギや羊などの皮10頭分ほどが、まだ生々しい状態で詰められた大きなビニール袋。。
この皮は、Calimeraなど近隣の肉屋さんから分けてもらっているそうで、無駄な殺生をしていないということでちょっと一安心。。ですね。。? ^ ^;)

この中庭にも色々な材料や道具やバケツがたくさん置かれていて、実際には結構な広さがあるはずなのに、本来よりも狭く感じます。前述の血なまぐさい毛皮の入った大きなビニール袋、白く濁った石灰水に漬かった毛皮の入った大きなバケツ、木枠に釘付けされ天日干しにされている半乾きの皮、タンバリンの胴枠が皮に取り付け乾燥台に置かれていたりと、目の前に広がる非日常的な光景に圧倒されてしまいそうですが、それと同時にこれほど貴重な体験はなかなかできない!とFracciaMacciaも大興奮!!

もしこのタンバリン工房を訪ねてみたい方がいらっしゃったら、きっとPantaleoさんが歓迎してくれることは間違いないでしょうけど、生々しいもの(何度もスミマセン…ゴホッゴホン!)を見たくない方には、中庭の様子を見るのはあまりお勧めできないかもしれませんね。 
石灰水など目に入ったりすると危険なものもありますから、そのあたりも注意が必要です。
その一方で建物の内部、作業場はどなたでもすごく楽しめると思います。ただこの作業場も木くずが空気中に舞っているので、気になる方は念のためマスクを持参した方がいいかもしれません。いずれにせよ多少汚れてもいい軽装で訪れたいですね。作業場は色々な道具や機械がいろいろと置かれていますから、まぁ大した危険はないですが、足下には最低限のご注意を。

そしてタンブレッロ (tamburello タンバリン) を作る名人の腕前だけでも「サレントの人間国宝さん」としての価値がありますが、Pantaleoさんの素晴らしいところは実はそれだけにとどまらないんです。
Pantaleoさんの真骨頂は、タンバリンの材料をいろいろな実用品から再利用したり、またそれらを加工する機械や道具までも、自らが身近な機械や道具を改造したりして再利用しているところにあります。工房にはそういう材料や道具がたくさんあって、さながら発明家のエコロジー実験室といった雰囲気です。
たとえば。。。
電動ヤスリがけの機械は、もともと洗濯機に使われていたモーターと回転装置を使った物ですし、毛皮の毛を刈りとる大型カミソリも、「ソナッリ」と呼ばれるタンバリンの胴枠につけられる金属円板のくりぬき機も、ご自分が発明した道具だったり。
こう見えてもバリバリの現役です^ ^


木製の胴枠に皮を張り付ける時に使う背丈ほどある回転台も、これまたいわゆるオフィス用の回転椅子の脚を再利用したものです。なんとなく椅子をひっくり返して改造したかんじがわかりますか?^^


年季の入った農耕道具などが壁に掛かっていますが工房のインテリアかな?それともこれなんかも何に使おうか?なんて考えてるのでしょうかね?^ ^


ところで "Pantaleo(パンタレーオ)" というお名前(ファーストネーム)、レッチェあたりではよく見かける一般的な名前なのですが、これも実はギリシャ語で「よく話すおしゃべりな人」という意味があるんだそうです。さすがギリシャ系文化の伝統が残る村の方ですねぇ、プーリア州ではよくみかけるこの名前ですが、イタリア全体でみるとかなり珍しい名前のうちに入るのではないかと思います。
お名前のとおりPantaleoさんはとってもおしゃべり上手な方で、去年の冬FracciaMacciaがタンバリン工房へ見学にいった際も、本当にうれしそうにたくさんのことを丁寧に教えてくださいました。とってもとっても温かい人柄です。みなさんもプーリア州の南のほう、レッチェ方面を訪れる際にはぜひPantaleoさんの工房へ遊びに行ってみてはいかがでしょうか?オススメですよ☆


それでは今回はここまで、また来週お会いしましょう♪
Alla prossima settimana, Ciaoooooo!


★ 次回予告 ★
せっかく名人の工房に来たんですから、次回は実際にどうやってタンバリンの名品が作られているのか見てみましょう。 お楽しみにー♪



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2010/02/25

サレントのタンバリン職人 Pantaleo Marraさん (前編)

みなさんこんばんはー♪ Buona sera a tutti!


とっても暖かい日が続いてますねー♪ FracciaMacciaの住む大阪ではいま大阪城公園の梅林で梅の花が見頃を迎えています☆ 
梅の花があまりに見事だったので、ブログのテーマからちょっと逸れて、梅を観にいったときの写真を少し載せてみたいと思います!^^


あまーい梅の香りがあたり一面にひろがっていて、ビックリウットリするほどでしたよー!このピンク色の梅(名前を忘れました…)が一番香りがよく出ていた気がします。
写真中、右奥の方に大阪城の天守閣が見えているのわかりますかー?
こういう濃い色の梅もきれいですねー♪いろいろな色と種類の花を楽しむことができました。むかしから大阪では桜よりも梅の方を愛でたという話なども聞きますが、本当に見事ですよ☆


さーてさておまたせしました☆それではいつもの南イタリアブログの方いってみましょー♪  
南イタリア・プーリア州はサレント半島周辺のさまざまな話を地元出身のFracciaとMacciaがお伝えしている当ブログ "Le Cartoline dal Salento" ですがその中で、これまで僕たちがサレントで出会ってきた、身近にいるけど素晴らしい伝統の技や知恵を持ったその道の達人たち = 味のあるえらーいマエストロたちを、僕たちの独断で『サレントの人間国宝さん』としてご紹介するコーナーを、これから当ブログの名物コーナーのひとつにしたいなぁと思っています。


というわけで今回は、以前ご紹介したサレント料理の研究家 Tonio Piceciさんにつづく『サレントの人間国宝さん』第2弾として、サレントの伝統音楽を支えるタンバリン作りの名人、Pantaleo Marra(パンタレーオ・マッラ)さんを前後編の2回にわたりご紹介したいと思います☆ パチパチパチー!



Pantaleoさんは生まれも育ちもレッチェの生粋のサレントっ子(salentino サレンティーノ)。レッチェ市近郊の小さな村 Calimera (カリメーラ)に住み、ここでタンバリン工房も構えています。


Calimera(←クリックすると場所をGoogleマップで確認できますよ♪)は、人口9000人ほどの小さな村ですが、以前レッチェの回でちらっとご紹介したギリシャ系少数民族の末裔が住むGrecìa Salentinaグレチーア・サレンティーナ)という地域にある村々のひとつです。「カリメーラ」という村の名前自体もギリシャ語で「おはよう」という意味なんですよ(アテネオリンピックで結構カリメーラという挨拶がテレビとかで使われてましたね)、おもしろいでしょう? それくらいギリシャの伝統が色濃く残るCalimeraはグレチーア・サレンティーナの住民にとって文化的な中心地のひとつとなっています(Fracciaの実家もCalimeraにあります)♪


"Cultura grika(クルトゥーラ・グリカ)"と呼ばれる、この地域の文化を代表するものの一つが、タンバリン (tamburello タンブレッロ)などを使った伝統音楽とダンスです。"pizzica (ピッツィカ)"と呼ばれるダンスはサレント地方発祥の、南イタリアを代表するフォルクローレ音楽としてイタリア全国でも有名で(とくに近年すごく人気が高まっています)、夏の間じゅうサレントの各地ではpizzicaのお祭りが開かれ、そのなかでも最大のイベント La notte della Taranta(ラ・ノッテ・デッラ・タランタ)は、毎年8月テレビで生中継されたりもしています。
(写真上: FracciaMacciaの結婚式にご招待した、Asterìa(アステリア)というプロのpizzicaの演奏グループと一緒に花嫁のFracciaが踊っています♪♪♪)


Pizzicaとともに演奏されるサレント伝統音楽のもっとも大きな特徴は、そのとても早くて独特なリズムにあらわれています。どんどん加速するような激しくも陽気なリズムを担っているのがサレント地方の伝統打楽器であるタンバリン=タンブレッロ(tamburello)なんです。演奏ではほかにもギター(chitarra キタッラ)やアコーディオン(fisarmonica フィサルモニカ)などが使われますが、タンバリンが主役であることは間違いないでしょう。タンバリンの叩き手は体力的にものすごく消耗しますから、たいていのグループでは、若い男性がその役を担う場合が多いです。


そんなサレントの伝統音楽に欠かせないタンブレッロを作っているPantaleoさんは、タンバリン職人歴20年。タンバリン作りを本格的に始める以前は、家具職人が本業だったそうです。息子さんのLuigi (ルイージ)が、まだ物心がつく前からタンバリンを叩くようになり、それがとても上手だったため、息子のためにいろいろなタンバリンを作ってあげているうちに、いつの間にかそれが評判となり、本業にまでなったんだそうです。すごいですよね、きっと家具職人さんとしてもすごく腕が立ったんでしょうねー

Luigiは、地元レッチェにある音楽学校へ通っていて、お父さんのPantaleoさんが作ったタンバリンの音を出荷前に最終チェックするお手伝いもしています。Pizzicaの季節には、あちこちコンサートやお祭りに出演してタンバリン演奏もしています。きっと、サレントの伝統音楽を守っていくすばらしい次世代の担い手になることでしょう。
写真右: じつはFracciaMacciaの結婚式でも、Luigi はバイオリン(violino ヴィオリーノ)でBGM演奏をしてくれたんです^^  楽器を手にしたら何でもできてしまうなんてまさに天才! 


現在Calimeraの工房で、プロの演奏家からアマチュア愛好家向けまで幅広くタンバリンを作り、サレントの伝統音楽を守ることに貢献しているPantaleoさんの一日は朝早く、すでに5時半には工房に入り、ほぼ一日中ここでゆっくりとした時間を過ごしているわけです。
いやーいいですねー♪ そんな生活あこがれますねー。 南イタリアの田舎町に住んでいる人々のこういう生活の送り方に触れると、日本の大都会で暮らしている自分たちの生活をかえりみたり、とても刺激になります。 

おっと、今回もそろそろ終わりの時間が近づいてきたようです。次回はPantaleoさんのタンバリン作りにもっともっと迫ってみたいと思います☆


★ 次回予告 ★
名人が作るタンバリンは素晴らしい音色とうつくしい芸術的な見た目で、ため息が出るよう。そんなタンバリンたちが生まれるタンブレッロ工房を次回はのぞいてみることにしましょう♪ 驚きの連続が待っていますよ…お楽しみにー!

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2010/02/21

やめられないとまらない?! イタリアのお菓子「Chiacchiere」

Buona sera a tutti! みなさんこんばんは♪
Com'e' andato il weekend?  週末はいかがでしたかー?
FracciaMacciaはカナダ人と日本人のご夫婦を家にご招待して手作り餃子などなどいっぱい食べました☆2才半のお嬢ちゃん可愛かったなぁー^^


さて前回はイタリアのカーニバル "carnevale" をご紹介しましたが、そのカーニバルの季節におなじみの、イタリア伝統のお菓子 "Chiacchiere(キアッケレ)" の作り方を今回はご紹介してみたいと思います。
作り方はすごくシンプルですが、やはりそれぞれのおうちによって独自のアレンジがあり、僕たちがご紹介するのはFracciaのマンマ(mamma = お母さん)のレシピ☆ お料理作りがとっても大好きで上手なサレントのマンマの味です♪


キアッケレの作り方はとっても簡単で失敗知らず(ほぼ!)。とってもシンプルなのに不思議とあとをひく美味しさで、家族みんなの人気レシピ☆ぜひ皆さんもチャレンジしてみてくださいね!



まずは、材料&分量から♪


・小麦粉(薄力粉) 250g 
・卵 2コ (黄身も白身も全卵使います)
・バター 20g
・砂糖 30g (普通の上白糖)
・粉砂糖 100g
・レモン 1コ (皮だけを使うので無農薬のものがベスト…)
・塩 少々
・揚げ油 適量 (あればラード油)
・リモンチェッロ 50ml
 (なければ、ほかのハーブリキュールかフルーツリキュールをお好みで)


リモンチェッロ以外はどのおうちにも大体かならず置いてある材料ですよね。リモンチェッロは手に入らなくても大丈夫、味や香りの好みでほかのリキュールを代用すれば全然オッケーです。
もっと言ってしまうと、どうせレモンの皮で香りづけをするならば、リキュールを入れなくても構いません。ただし、その場合は小麦粉の量をちょっと減らして200gくらいにした方がいいかもしれません。(けっこう目分量でやっちゃいますけどね^ ^)


それではクッキングスタート♪


① まず小麦粉をふるいにかけて細かくしましょう。
  こんな感じでフワフワの山を作ってくださいね。FracciaMacciaは木のまな板の上でやりましたが、あとで混ぜることを考えたらボウルの中でやった方がやりやすいかもしれません(作ったあとで気がつきました^^; イタリアでは普通パスタ打ち用の大きな木製ボードを使いますが、ウチのまな板だとちょっと小さかったようです)


②  小麦粉の山のてっぺんに指で穴をほり、火山の火口のようにします。ここに卵などを流しこむので、ちょっと大きめにひろげてください♪


③ きれいに小麦粉の山に穴を掘れましたか? できたらそこに、卵と上白糖とリキュールをぜんぶ入れちゃいましょう♪
まずは卵が入りましたー♪   
uovo(ウォーヴォ)= 卵


おつぎは砂糖♪ 
zucchero(ズッケロ)= 砂糖




そしてリモンチェッロも入りましたー♪  
Limoncello(リモンチェッロ)= 南イタリアを代表するレモンの皮を使ったリキュール。特にアマルフィ産のリモンチェッロは有名ですね。


おっとそれから肝心のレモンですが…防腐剤不使用のものが手に入らなかったので今回は結局リモンチェッロだけで我慢することにしました。みなさんも安心できるレモンを選んでくださいね。香りづけが目的なので、果肉ではなくレモンの皮(白いところも黄色いところも)をチーズおろし器などで、すりおろして混ぜます。量はお好みですが、ほんのちょっとでも十分に香りが出ますョ♪


ちなみにウチのリモンチェッロは、レッチェにあるFracciaの実家の庭でとれたレモンを使ってお母さんが作ったオーガニックレモンの自家製☆やっぱり自家製は味も香りもサイコーです!
シチリアやナポリを含めプーリア州でも、南イタリア一帯ではごく一般的ですが、ここサレントでも多くの家の庭に当たり前のようにレモンの木があって、この通り一年中、鈴なりになっています。
④ 材料をぜんぶ合わせたら、ちょっとずつダマにならないように混ぜていきましょう♪ 気長にちょっとずつやってくださいね。そうすると生地がこんな感じにまとまります。


⑤ そして表面が乾燥しないようフタをして、30分ほど寝かせます。


⑥ 寝かせたあとは、こんな感じでまずは手や棒で生地を平べったくのばしていきます♪
まな板や棒に小麦粉を適量ふって、生地がくっつかないようにしましょう。


うすーくのばすのがおいしく作るポイントですよ♪


⑦ うすく生地をのばしたら、適当なサイズにカットしていきます♪
生地の厚みは薄く均一にしますが、形やサイズはバラバラ、テキトーにした方がかえって食べる時に楽しくなりますよ☆


ひねったり、切り込みを入れたり、ひっぱって薄くなるよう成形しながらいろんな形を試してみてください♪
むこう側が透けるぐらい薄いイメージで…
⑧ 生地の準備がすべて完了したら、油を温めて揚げていきましょう♪ 温度は170〜180℃くらい。 生地がうすくて焦げやすいので、とりあえず油の温度が高くなりすぎないよう注意しましょう☆ 温度が低すぎて油っこくなるのもNGですけど。


⑨ ほらほら、揚げると膨らんでおおきくなってきましたねー♪ すぐに浮いてくるのでひっくり返します。入れてからひっくり返して両面が揚がるまで、ほんの1分くらいですから油断しないで♪


きつね色のおいしそうな色に揚がりましたよー♪


⑩ さいごに粉砂糖をたっぷり振りかけましょう♪ 全体に均一に粉砂糖がまざるよう、キアッケレも粉砂糖もちょっとずつ小分けにして足していきましょう☆


はい、これで完成です☆ 
キアッケレのでっきあーがりー♪♪♪
ツイストも上手にできました☆パチパチパチ!^^


揚げているのに不思議と軽いお菓子です。むしろビスケットやクッキーなど焼菓子に近いような、本当に素朴な味です。でもだからこそ「なんだかおいしくてとまらないなぁ!」となるんです^^  こういう「素材の味を活かしている」シンプルな食べ物だからこそ、何世紀にもわたりイタリア人に愛され続けてきたのでしょうねぇ。


このお菓子、Fracciamacciaはキアッケレと呼んでいますが、イタリアの各地方によってさまざまな呼び方があるんです。ローマあたりでは"frappe"、北のトリノあたりでは"bugie"なんて具合です。イタリアではパスタの種類なんかも地方によって同じパスタが違う名前で呼ばれてたりしますからむしろ当然のことなのかもしれないですね。
まぁ日本でも「高野豆腐」とか「さつま揚げ」や魚の名前など呼び方が地方によってさまざまあっておもしろいですよね☆
"chiacchiere キアッケレ" という呼び方は、サレント地方のあるプーリア州から、カラブリア州やナポリを通ってシチリアまでの南イタリア一帯、それから北のミラノなどで使われている名前です。 もともとは "chiacchierare(キアッキェラーレ)"という動詞に由来するそうです。chiacchierareとは、「おしゃべりする」とか、英語でいう"chat"の意味です。
カーニバルの時にみんなとワイワイおしゃべりしながら食べるからとも、薄くて平べったいその形からおしゃべりさんの舌を連想させるからとも言われています。
みなさんもぜひ、紅茶やココアなどお好きな飲み物とご一緒にどうぞ♪  きっとおいしくて会話も弾むと思いますよ☆


では、いただきまーす!
Buon appetito!




★ 次回予告 ★
次回はサレント半島で出会える「となりの人間国宝さん」に会いにいくシリーズで、タンバリン作りの職人 Pantaleo Marra(パンタレーオ・マッラ)さんをご紹介したいと思います。お楽しみにー♪




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2010/02/18

イタリアのカーニバル「Carnevale」は究極のダイエット?!

みなさんこんにちは☆
2月もなかばを過ぎましたが、寒い日が続いてますねぇー


イタリアの2月はカーニバルの季節で、全国でカーニバルが約2週間にわたって続き、パレードなど盛大なお祭りが各地で開かれます。今回はそのイタリアのカーニバル = "Carnevale(カルネヴァーレ)"についてご紹介したいと思います♪


カレンダー上の日付は毎年微妙にずれるようですが、今年のカーニバルは2月16日まで、ということは今週の火曜日が最終日でしたね。
「カーニバル」といえば世界を見渡すとやはりブラジル、リオのカーニバルが有名ですが イタリアも負けておらず、ヴェネツィアのカーニバルはたいへん有名ですからご存知の方も多いのではないでしょうか?
じつはその他にもイタリア各地でカーニバルが盛んに行なわれていて、北イタリアIvreaの有名な「オレンジ投げ合戦」などもこのカーニバル期間中に開かれるイベントの一つで、各地方や街それぞれにカーニバルの個性がよく出ていますよねー
英語のcarnivalは日本語で「謝肉祭」と訳されたりもするそうですが、イタリア語の carnevale(カルネヴァーレ)という言葉を分解してみますと…
carneカルネ=「お肉」の意) + valeヴァーレ = 「なくす」を意味するlevareから派生)、つまり「お肉の食べ納め」とか「お肉断ち」といったニュアンスでしょうか?おもしろいですねー。一体どうしてお祭りにこういう名前がついたのでしょう?



かつては毎春のイースター(復活祭、イタリア語でPasqua パスクァ)の前の40日間はお肉や卵を食べないというキリスト教の習慣があったそうで(今ではこの"断肉食"をあんまりまじめに守ってる人はいないと思うけど…)、それはベジタリアン以外の人にとってはやっぱりなかなかキツいことですよねぇ、1ヶ月以上ですから。それで、このお肉を食べられない40日間の直前約2週間に思いっきりお肉や卵を食べて、みんなでお祭り騒ぎしよう!というのがカルネヴァーレの趣旨というかはじまりだったようです。


Fraccia:  たくさん食べるので、カルネヴァーレの最終日を伝統的にイタリアでは "Martedi' grasso (太った火曜日)" と呼んでいるの(笑)
Maccia:  へぇー知らなかった!なんだかその名前を聞いただけで日本の「正月太り」より凄そうだよねぇ。。^ ^;


もともと古代ギリシャやローマ時代にも、キリスト教以前からすでに、2月頃にこの時期だけ特別にハメをはずして、食べたり飲んだりドンチャン騒ぎをする風習があったそうです。
きっと寒くて気が滅入りがちな冬に、街のみんなと一緒に楽しく盛り上がって春の到来を呼び込もうとした、というのがもともと土着の風習の姿だったのではないかなぁ…?そう思うとなんだかカルネヴァーレで騒いだ昔の人の気持ちがわかってくる気がします。


ヴェネツィアのカーニバルはさきほど書いた通りたいへん有名ですが、イタリア各地で行われている現在のカルネヴァーレの基本スタイルが確立されたのもヴェネツィアの街で、1094年には既に開かれていたという記録が残っているそうです。
当時の社会で下層にいた貧しい人々をはじめ日頃から圧政に不満を抱いていたヴェネツィア市民の気持ちを察して、当時の市長がローマ時代からの風習に注目し、無礼講でドンチャン騒ぎを許したお祭りがカルネヴァーレのはじまりでした。これがヴェネツィアから他の街にも広まっていったんですね。


やっぱりカーニバルというからには、イタリアのカルネヴァーレでもパレードは欠かせません。仮装した人たちの行列とともに、carro(カーロ)とよばれる大きな山車が街中をパレードしてまわり、その出来映えは人気投票のコンテストで審査されます。


カルネヴァーレのもっとも大きな特徴はお祭りの参加者がみな maschera(マスケラ=仮面)をつけたり扮装していることです。マスケラをしているときだけは、身分の高い人も低い人もお金持ちも貧しい人も、老若男女だれしもが平等になることができ、階級社会のルールにとらわれず自由に遊ぶことができたというわけです。
またカルネヴァーレの期間中だけは、権力者に対する政治的な風刺も許されていたといいます。当時の中世ヨーロッパといえば、一般市民には自由がほとんど許されていなかったようなご時世ですから画期的だったことでしょうねー
「仮面」というとなんだか怪盗とか怪人とかちょっと怖いようなイメージを連想しますが、当時のマスケラは自由や平等の象徴だったと言えるのではないでしょうか。ヴェネツィアのマスケラって見た目がなんだかコワいけどなぁ…


現在でもカルネヴァーレのときにマスケラをかぶって正体を隠した見ず知らずの人に、街でいきなりイタズラされたりしますが(通りで通行人の頭を柔らかい棒で叩いたり)、イタリアにはこんなことわざがあるんですよ。 "A carnevale ogni scherzo vale. (ア・カルネヴァーレ・オンニ・スケルツォ・ヴァーレ) "  = 「カーニバルではなんでも冗談が許される」。。。


Fraccia:  マスケラをしている人が何者かまったくわからないから、マスケラをつけた人に出会ったときは "Buongiorno, signora maschera. (ブォンジョルノ・シニョーラ・マスケラ) " とあいさつするんですよ♪  
Maccia:  カルネヴァーレでないときにマスケラをかぶった人に会ったら "Aiuto! (アイゥート = 「助けて!」)" と叫んだほうがいいですよ^ ^


Fracciaの地元サレント半島でもたくさんの街でカルネヴァーレのお祭りが毎年行なわれますが、もっとも有名なのはGallipoli(プーリア州レッチェ県ガッリーポリ市)のカーニバルでしょう。
(ガッリーポリのパレードで見た山車。これは映画『シュレック』がテーマの山車のようですね)
ここのカーニバルでは "Lu Tidoru (ル・ティドール)"という伝説上の人物が毎年かならず登場するのですが、昔話によると。。。「ティドールという名のGallipoli出身の兵隊さんがカーニバルの休暇でGallipoliの街に帰ってきた。これからPasquaまでの40日間お肉が食べられないのは寂しいと、カーニバルの終わりの日に好物のソーセージ(イタリア語で "salsiccia サルシッチャ" ) をたらふく食べたのだけれど、あまりに食べ過ぎてそのまま息絶えてしまった」。。。なんてちょっと一風変わった悲しい話。食べ過ぎ注意や反戦を語った寓話か?はたまた実在の人物による実話なのか? どちらにせよ、なぜその人物がカーニバルの主役的キャラをつとめるのか…?? ナゾだらけですねぇー
それにしても、文字通り「死ぬほど」ってどれだけ食べたんでしょうね…?!


その次にサレントで有名なカーニバルといえば、Martignano(マルティニャーノ)のカルネヴァーレでしょう。
レッチェに近いこの田舎町のお祭りには、Fracciaも小さい頃から家族や友達と仮装パレードに参加したことが何度もあるんですよ。
この写真はFracciaが9才のとき、友達の小さいペンギンさんたちと一緒に行進しています、みんなかわいいですねー^ ^
サレントのカルネヴァーレの仮装はとても自由で手作り感がたっぷり、『欽ちゃんの仮装大賞』みたいでたのしそうでしょ♪
こちらはパレード会場までオリーブ畑の農道をトラクターに引かれているお城の山車。のどかな雰囲気が伝わってきます(笑)
 左端のベビーカーを押してる小さなペンギンちゃんがFracciaです、見えますかー?^ ^


それからサレントの方言で "Lu Cannarutu(ル・カンナルートゥ)" とよばれる、カーニバルの季節のサレント地方にだけ見られるちょっとおもしろい風習があります。殻をむいたゆで卵をヒモにぶら下げて、それを子どもたちが手を使わずに(パン食い競走の要領で)食べるというものです。これからひと月以上もお肉も卵も食べられないので「いつも普通に食べている卵ひとつだって本当は貴重でありがたいものなんだよ」ということなのか?「子どもに卵1コでも多く食べさせてあげたい」ということだったのか?  そんなこまかいこと抜きに、楽しいからやる!っていうのが本当のところでしょうね^ ^


Fraccia:  どうってことのない小さなゲームみたいな伝統だけど、それぞれ親子がこれを楽しんでるのって、ほのぼのとしてるでしょ?案外むずかしくて面白いから挑戦してみて^ ^
Maccia:  うん、子どもだと口も小さいからツルツルすべっちゃったりね(笑)Lu Cannarutuは、日本でいうところの、家で節分の豆まき(ちょうど同じ2月だし)をするのと同じような感覚なのかもねぇ。


カーニバルが終わったら春のパスクァ(復活祭)までの40日間はお肉も卵も一切食べない…なーんてことを今どき守っているイタリア人はいませんけど、カーニバルの期間中にたくさんごちそうを食べた分、40日間くらい粗食で過ごしたらいいダイエットになるかも…?!


Maccia:  じゃあウチも来年からカーニバル式ダイエット取り入れようかな?
Fraccia:  どうせMacciaはカーニバルの2週間たくさん食べ溜めしちゃうだけでしょー?
Maccia:  そうかもね^^;) いちおう確認だけど、お肉と卵がダメな間も魚は食べていいんだったよね??


いやいや、やっぱりカーニバルではなにも気にせずいっぱい食べてパレードを楽しむのが一番^^
寒い日が続いてますが、みなさん気持ちはカーニバルで♪温かくいきましょうね♪
それではまた次回、alla prossima!  Ciaooooooo!


★ 次回予告 ★
カルネヴァーレのとき、毎年イタリアのお母さんたちが作るchiacchiere (キアッケレ)という伝統のお菓子があります。
次回は、とっても簡単に作れるこのキアッケレ、サレントに住むFracciaのマンマのレシピをご紹介します。お楽しみにー☆


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