イタリアのかかとってどんなところ?

イタリアのかかとってどんなところ?

"Cartoline dal Salento" = サレントからの絵はがき

南イタリアのサレント。
その土地や、そこで人生を謳歌する人々の姿をイキイキと感じられる絵はがきの
ようにお届けしたい、そんなイメージでスローライフなブログを綴っています。
サレント郷土料理のレシピやイタリア語のワンポイントレッスンも登場します。
どうぞごゆっくり、楽しんでいってくださいな^^

2010/11/29

〜 南イタリア里帰り紀行 4 ~ うちの夏の別荘?!@アドリア海♪

Ciao a tutti! Come state?
みなさんこんにちはー♪ お元気ですか?

さて前回は、プーリア州レッチェ県 = サレント地方にあるFracciaの実家をご紹介しましたが、それに続いて今回は、Fracciaの両親はじめ家族が夏の3ヶ月を過ごす海の家も公開しちゃいます♪

家族が "Mare (マーレ = 海)"と呼ぶ夏の家は、San Foca(サン・フォカ)という海辺の村にあり、家からビーチまでは徒歩1分、もう目と鼻の先です♪ Cartoline dal Salentoではおなじみとなりつつあるイタリア半島のかかと=サレント半島の地図でご一緒に場所を確認してみましょう♪ (画像はすべて、クリックで大きく見られますョ♪)
Fracciaの実家があるCalimera(カリメラ)へは南西に約12km=車で15分、サレント半島の中心、バロック建築の街並が息をのむほど美しいレッチェ市へは北西に車で20分ほど。San Focaからアドリア海の海岸線沿いに南へ15kmほど車で走れば美しい港町=Otranto(以前ご紹介したモザイクが圧巻です!)もあります。
なかなか良い立地条件だな♪ということが地図から見えてくるでしょう?

それでは、ジャッジャジャーーン!こちらがFraccia一家の「海の家」でーす 「夏の別荘」なんて言うと聞こえがいいですが、ご覧のとおり「サレント地方の海辺の街にあるフツーのおうち」といった佇まいですね^^
この家が建てられた正確な年代はわかりませんが、少なくとも築60年は経っており、プーリア州の伝統的な家造りの特徴がよく表れているんですよ♪
写真からお気づきのように、外観の特徴としては、窓が無くのっぺりとした石壁(これは日光を遮り断熱効果を高める+プライバシー+防犯などいろいろメリットがあったようです)。隣の家々がズラーッとピッタリくっつき合って、通りに軒を並べています。屋根は分厚くて真っ平らな陸屋根で、物干しに使っている家が多いです(洗濯物がよーく乾きます^^)。

プーリア州内あるいは南イタリアの他の地方と比べてもとりわけ夏の訪れが早く、そして夏の季節が長いサレント地方にある海の家。Fraccia一家はだいたい毎年6月中旬〜9月いっぱいまでまるまる3ヶ月以上をここで過ごします。
とはいえCalimera村にある自宅からもさほど遠くありませんから、夏の間もちょくちょく(お父さんはCalimeraの博物館で仕事があるし、それ以外にもほぼ毎日なにかしら用事があるので)行ったり来たりするんですけどね。

San Focaに家を持っている人たちの大半がFracciaの家族同様、普段はほかの町で暮らしながら夏の数ヶ月間だけ住むためにやって来るため、夏になると観光客もこれに加わりSan Focaの街はいっきに人口が増え海辺のレストランや市場(mercato)も活気づきます。そしてまた秋になると住人も減り静かな村へと戻るわけです。
春や秋にもここに家族や友人と集まって、週末のランチを食べるなんていう楽しみ方もあります♪

この家はもともとFracciaのおばあちゃんの妹(つまり、大叔母さん?)が持っていた家で、このルチアおばさんも夏の別荘として利用していました。彼女は郵便局員(女性が外で仕事をする、とりわけ事務所仕事をするのはまだまだ珍しい時代だったんですね、南イタリアでも)として働くかたわら、詩を詠んだり楽器演奏も嗜むなど、1910年代生まれの女性としてはずいぶんモダンな生き方をした人だったそうです。40歳を過ぎてからという当時としてはけっこうの晩婚で子供もいなかったので、紆余曲折はありましたが、ルチアおばさんの甥っ子にあたるFracciaのお父さんがその後相続することとなったのです。

ではさっそく家の中をご案内しましょー♪ Entrate, avanti!
家の前を通る道路から3重の扉(ガラス戸+ブラインド戸+網戸)を開くと、階段を5段ほど下りて部屋に入るかたちになっています。写真の左に見えるのが玄関と階段、わかりますか? わかりやすいちょうどいい写真がなくてざんねんッ!

戸外よりも屋内の床面が1mほど下がっていると天井もより高くなり、これも室内を涼しく保つための知恵ですね たしかに夏の日中でも窓や扉を開放すればエアコンいらずなんですよ、外は40℃に達する日もめずらしくないというのに!
地元サレント半島特産の石灰岩レッチェ石で建てられたこの家は天井の造りにも伝統的な特徴がみられ、四隅から天井にむかって全体が丸くドーム上になっています(外から見ると屋上はフラットです)。“Volta a stella (ボゥタ・ア・ステッラ)”=「星形の円蓋」と呼ばれるこの様式は見ための美しさや開放感の演出もあるでしょうし、なんと部屋の真反対にいる人の声がすぐ耳元で話しているぐらいハッキリと聞こえるという音響効果もあるんです。

こちらも上の写真とおなじく玄関を入ってすぐの部屋。みんなが集まってお食事中ですね♪奥の扉のむこうには、もう1つの部屋が見えています。
どちらもリビングとして使われますが、奥の方のリビングには食事用のテーブルや暖炉など生活用の家具も充実しているので、こちらで家族が過ごす時間の方が多いかもしれません。


この2つのリビングルームの上にはそれぞれ広めのロフト(中2階といった方がいいのかな?)があり、2部屋のベッドルームとなっています。これはもともとルチアおばさんが居た頃には無かったもので、Fracciaの家族が譲り受けてから改装して作ったものです。

(写真左:  頭上の格子模様になっている部分の上がベッドルームになっています。もともと天井自体がとても高い位置にあるおかげで、こういうかたちで1階と2階を分けているおもしろい構造です。)


写真の背景に映っているこの階段をつかって1階と2階を行き来します。いかにも「海の家」といった風情が、なんだか子供のころのワクワク感を思い出させるようでFracciaMacciaは大好きです^^







お客さんがいない平日の夏の昼下がりにはこの部屋でソファーに横になって読書も。。zzzzz...... おっとっと夏の昼寝ってなんでこんなに気持ちいいのかなぁー?^^
表からみると窓の小さかったこの家ですが、中に入ると写真からおわかりのように、玄関や奥の窓からさしこむ陽光で意外にとっても明るいんですよ♪


もうひとつ奥にあるリビングルームはこんな感じ この写真は今夏FracciaMacciaが家族に天ぷらそばを作った時の写真ですー^^
イタリアに帰省するとかならず作る、地元プーリアの野菜を使った天ぷらに海老天、そして出雲そば。もはやFracciaMacciaのイタリアの親族友人の間でも大人気の定番メニューなんですよ(笑)

左の写真の奥にチラッと見えていますが、2つのリビングルームの奥にはキッチン&ダイニングがあり、さらにはシャワールーム兼トイレそして小さな中庭へと続いています♪
この奥へ奥へと部屋が連なる感じは、なんとなく日本の「ウナギの寝床」とも称される京町家の造りにも似た様式を思わせます。洋の東西は違えど、通りに家の数が多くなり密集してくると、各戸が通りに面するようにするためには自然とこういう都市計画(というほど大げさではないかもしれませんが^^;)にならざるをえないのは同じだったのかもしれませんねー

(写真左)キッチンにてFracciaMacciaのチームプレイで天ぷら調理中♪
(写真右)キッチン横のダイニングでおばあちゃんとcolazione(コラツィオーネ)=朝ごはん♪








この海の家があるSan Focaという海辺の小さなリゾートは、ほんの数十年前(1960年代あたり)までは、漁師が船を停泊させ漁師小屋が波打ち際の岩の上にぽつりと軒を並べる程度の小さな漁村でしたが、観光やレジャーがイタリアでも庶民に浸透していったこの頃をさかいに、レジャー用のヨットやボートがならぶ港と海水浴のビーチをもつリゾートとして発展してきました。

いまではイタリア国内だけでなく、ドイツなど他のヨーロッパ諸国あるいはアメリカなどからも観光客が訪れる、ちょっとした国際的なビーチリゾートとなっており、昔のSan Focaの姿を知るFracciaの両親の世代あるいはおばあちゃんなどは「昔の寒村からは想像もできないねぇー」と言って目を細めているわけです^^

家から歩いてすぐにあるSan Focaのビーチです 白砂のビーチの眼前にはアドリア海が広がっており、「南イタリアっていいなぁ〜」としみじみ感じてしまいます(笑)
 自分が絵はがきの世界に入ってしまったと錯覚するような圧倒的な美しさ。
その素晴らしさを説明するのに言葉はもう不要でしょう… じっくりと写真をお楽しみください^^ 
(クリックで大きくなります)


         


こちらはパノラマ写真に挑戦です(San Focaからちょっと南に行ったSant'Andreaですが)

 ちなみにですが、San Focaのビーチは、Bandiera BluBlue Flag Program)という世界中の厳選された美しいビーチの一つにも選出されているんですよ♪
イタリアの海を旅の目的として訪れるならば、まちがいなくプーリア州、というよりさらに限定してサレント半島の海を、だんぜんオススメします♪  実際、この海の美しさに対抗できるのはあとイタリア国内だとせいぜいサルデーニャかシチリアのごく一部くらいでしょうねぇ。 

← おやっ♪前回も登場したわが家の新しいメンバー、ラブラドールのReyちゃんですねー
10月初旬の晴れわたった週末に、いつもはCalimeraの家にいるReyを生まれてはじめて海の家に連れていったんです^^
この日は海風が強かったけれどとても暖かかったので、海の子Fracciaはもちろん海へ♪ MacciaとReyも一緒についていきました♪ 生まれて初めての海にReyはどんな反応をするのだろう?と興味津々です


ほらほらー レイちゃん、海が見えるよーッ!日差しは強くて暖かいのに風が強くて白波も立ち、、プーリアの海も風も秋の表情です。。。
そりゃあ南イタリアといえどさすがにもう10月ですからねぇ。お昼どきだったせいもあるでしょうが、サーファー以外にはFracciaMacciaとReyしか人影がありません(苦笑)

だけどFracciaはやっぱり海の子ですからこの日もしっかり泳ぎましたョ♪ MacciaとReyはビーチを走り回ってお散歩です。 来年の夏になったら、きっとReyも上手に海で泳いでいるだろうなー
Reyの初ビーチ散歩を記念撮影、ハイッチーーズ



さーて今回も終わりが近づいてきました。夏の海への移住という南イタリアのおもしろい習慣をご紹介しましたが、いかがでしたか?
海から10数km内陸のCalimeraにある自宅よりも、海沿いのSan Focaにある夏の家の方が涼しいので「避暑地」という側面ももちろんありますが、「暑さから逃げる」という考えよりむしろ、「南イタリアらしい陽を感じながら潮薫る海の空気を思いきりすって、澄みきったアドリア海の青を見ながら心も軽やかに、ビーチライフを満喫しよう!」と、肯定的に人生を謳歌したいという地元サレントっ子たちのやる気マンマンな意志が表れているんだと思います。

San Focaにはコンドミニアムなど数日〜1週間単位の貸別荘もたくさんあります。みなさんもぜひ、イタリアの定番の観光地めぐりばかりでなく、南イタリアの残された楽園 = プーリア州のサレント半島に遊びにきて、ゆっくりとこのサレントの空気を感じながら心も体も元気になってみてはいかがでしょーか?(^O^)/

それではまた次回、お楽しみにー
Ciaoooooooooo!!!

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