イタリアのかかとってどんなところ?

イタリアのかかとってどんなところ?

"Cartoline dal Salento" = サレントからの絵はがき

南イタリアのサレント。
その土地や、そこで人生を謳歌する人々の姿をイキイキと感じられる絵はがきの
ようにお届けしたい、そんなイメージでスローライフなブログを綴っています。
サレント郷土料理のレシピやイタリア語のワンポイントレッスンも登場します。
どうぞごゆっくり、楽しんでいってくださいな^^

2010/01/31

サレントの郷土料理研究家 Tonio Piceciさん(後編)

Ciao a tutti!  Come va?
現在FracciaMacciaが住んでいるコチラ大阪のまちでは、今日「大阪国際女子マラソン」が行われましたが、あいにく冷たい雨がふってランナーたちも体が冷えて動かず大変そうでした…
しかし早いものでもう1月も終わりですねぇ、なんだか1月は毎年あっという間にすぎる気がします。
まだまだこれから11ヶ月、たっぷりありますからゆっくり♪スロー・イズ・ビューティフル♪でいきましょう^^
さーて全3回にわたってお届けする、南イタリアはサレントの料理研究家 Tonio Piceciさんのシリーズも、いよいよ今回が完結編です。さっそくまいりましょうー☆

Piceciさんはパリのコルドン・ブルーでフランス料理を学ぶところから料理の世界に入り、パリの名店でその腕を磨いたのち、地元レッチェに凱旋。そしてレッチェで暮らすなかで自分のふるさとを見つめ直し、サレント郷土料理の再評価へと目覚めていったのです・・・というところまで前回お話しました。


そんなPIceciさん、じつはサレントの料理を世界中に普及したいという活動の一環で来日したこともあるそうです。東京や大阪に滞在すること数ヶ月間、某有名イタリアンレストランやフレンチレストランで調理やメニュー開発の熱血指導を行ったそうですよ。
サレント料理に対するPiceciさんの情熱とバイタリティー・・・ただただ脱帽するばかりです!

その来日の際にPiceciさんも持ってきたそうですが、FracciaMacciaが大大大好きでどーしても皆さんにもご紹介したい!というサレント特産の調味料があります。
その名を☆ vincotto(ビンコット/ヴィンコット) ☆といい、これはワインを作る過程でうまれる発酵前のブドウジュースをじっくり煮詰めたのち、年月をかけて樽の中で熟成させたものです。黒いアメ色の液体で、甘く芳醇な香りが特徴的です。とにかくもう、その味は他にたとえようがない絶品なんですっ! おっと、ビンコットが好きすぎてついつい力が入りすぎてしまいます(苦笑)

さわやかな甘みと酸味のハーモニーは、ヨーグルトやアイスクリームやスイーツ系から、お肉や魚や野菜のグリル料理や、サラダのドレッシングまでどんな食べ物にも合うので、思わずなんにでも使いたくなってしまうほどに万能なんです。
一般的にイタリア料理でよく使われる他の調味料にはバルサミコ酢などもありますね。バルサミコもぶどうやブドウ酢が原料ですが、それともまた全く異なるビンコットは、サレント料理に欠かせない存在です。
なんといってもビンコットの原料はブドウジュースのみ、その他の調味料や添加物など一切ないのもオススメしたいポイントです。混じりっけのない天然の旨味が活きています。
Macciaの日本の両親や家族も初めて食べた時から大ファンになり、健康にもいいので毎日のようにおいしく食べてます☆
(写真左: こんな感じでフルーツとヨーグルトにかけて食べることが多いですね)

日本でも、ビンコット作りの老舗Calogiuri社のヴィンコットなどが輸入食材を扱う高級スーパーやデパートなどでも最近売られているようですが、結構高いですねぇ  Σ(゚口゚;)//
(写真右: 見てください、コチラのとびきりドロッとしたヴィンコット!サレントに住むお友達のお母さんが作った自家製で、イチジク風味になってます☆これぐらい濃いと、ホットケーキやパンなどにつけたりしても美味しいです。)
日本ほどではないですが、イタリアも国別平均寿命ランキングでいつも4〜7位くらいに入るかなりの長寿国ですから、心身ともに若々しい人たちや元気に自転車やクルマに乗るお年寄りなどがサレントのあちこちで見かけます。ビンコットなど自然食品のおかげも大きいのかなぁーと思いますねぇ。

今回このブログでPiceciさんについて書くにあたり、ご本人とメールでやりとりしながら取材をかさねました。FracciaMacciaからの質問に快く答えてくださったなかで、聞いておきたい3つの質問に対するPiceciさんの答えを、ここでご紹介したいと思います。

Q: 料理家としてのモットーは何ですか?
A: 私の場合サレントですが、ふるさとの土地と料理というのは切っても切り離せない関係であるということ。 そしてもうひとつは、食というのは官能的なものであり、五感を最大限に利かせて楽しむということ。

Q: 料理家として、これからの目標は何ですか?
A: いまこの年齢ですが、まだまだ私の知らない新しいジャンルの料理、たとえば和食などに挑戦して自分自身を試してみたい。

Q: もし今日、世界が終わると言われたとしたら、その最後の食事には何を食べますか?
A: まぐろのお刺身、ビーツ(赤かぶ)の細切りとターメリック風味の焼茄子クリーム添え
 (うーんなんだかすごそうですが、正直どんなソースなのか?味がちょっとイメージできません…^^;)

南イタリアの料理やアイデンティティーを大切にするPiceciさんから「マグロのお刺身」という答えが出てきたのは意外でしたねー!

話はおもいっきり脱線しますが、昨年の国際会議でクロ(本)マグロの漁獲量制限が決定されたり、今年はワシントン条約で絶滅危惧種に大西洋や地中海やクロマグロが加えられるのでは?などという日本の食卓にとって、とても気になるニュースもありましたね。
思えば、毎朝のように築地に届く300kg超級の大きなクロマグロもイタリアを含めた地中海から沢山やってくるんですねー。にもかかわらず、現地の人たちの口にほとんど入ってないとしたら…
(左上: 18世紀のイタリアでのマグロ漁)
(左下: 19世紀のイタリアでのマグロ漁)昔はイタリア人もたくさん食べてたんでしょうねぇ
飽食の時代を経て、遠くない将来に地球規模の食料難がやってくるといわれる今、地中海のクロマグロが回遊する場所から10,000kmも離れた私たち日本人のもとに運ばれ、ほとんど(クロマグロの全消費量のうちなんと80%以上だそうです)が食べられている。しかもその穫り方がとてつもなく早いペースで今後マグロに絶滅のおそれがある・・・という話が本当だとしたら、ちょっと考えなおした方がいいかもしれないですね?
ちなみに、先日仕事で調べものをしててはじめて知ったのですが、イタリアにある和食屋さんや寿司屋さんで食べられる本まぐろは「再輸入」物(つまり、イタリアの海で獲った本マグロがいったん国外に輸出され、冷凍ブロックになって再びイタリアに輸入される…)であるだけでなく、スーパーにならぶツナ缶でさえほとんどが、フィリピンやインドネシアの海で獲れたバチマグロなどを加工したものだそうです。
Piceciさんのようにマグロのおいしさをよくわかっている人はイタリアにも多くいるわけですから、やっぱり地産地消の自然なかたちで、地中海のまぐろが目の前の海で獲れる場所に住むイタリア人の口にも届くようになったらいいなと思います。そのためには日本人がちょっと我慢しなくちゃいけないってことになるんでしょうけどねぇ…^ ^;)  みなさんはどう思いますか?

さーて今回もそろそろ終わりが近づいてきました。Piceciさんの話から大きく脱線してビンコットやマグロについて熱ーく語ってしまいましたが、楽しんでいただけたでしょうか?

Piceciさんを見ていると、人間は情熱を持ち続ければ、本当になんでも成し遂げることができるんだなーという勇気がわいてきます。
皆さんも今日のブログを読んでおなじような勇気を感じていただけると、うれしいです^^


僕たちFracciaMacciaも当ブログ「Cartoline dal Salento」を、情熱を持ってコツコツ続けていきたいなぁと思います☆


それではまた次回、 alla prossima!
Ciaoooo!



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★ 次回予告 ★
次回は「サレントをゆく」と題してお送りする南イタリア紀行の第一弾、レッチェ(Lecce)の街を訪ねてみたいと思います。おたのしみにー☆

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