イタリアのかかとってどんなところ?

イタリアのかかとってどんなところ?

"Cartoline dal Salento" = サレントからの絵はがき

南イタリアのサレント。
その土地や、そこで人生を謳歌する人々の姿をイキイキと感じられる絵はがきの
ようにお届けしたい、そんなイメージでスローライフなブログを綴っています。
サレント郷土料理のレシピやイタリア語のワンポイントレッスンも登場します。
どうぞごゆっくり、楽しんでいってくださいな^^

2010/01/17

イタリアの伝統行事「Befana」(前編)



Ciao a tutti! みなさんこんにちは☆

前回はイタリアの新年「Capodanno」の過ごし方をご紹介しましたが、今回はイタリアのお正月のもう一つのお楽しみである
Befana(ベファーナ)」について、前後編の2回にわけてご紹介したいと思います♪


Befanaとは魔法使いのおばあさんのことで、クリスマスのプレゼントを運んでくるサンタクロースの向こうをはる、国民的人気者です。
毎年15日の夜中に子どもたちにお菓子などプレゼントを運んできてくれるんです。そしてあくる6日の朝、子どもたちが起きてプレゼントを開ける!というお楽しみイベントなわけです。


プレゼントといってもサンタクロースのクリスマスプレゼントに比べると、Befanaのおばあさんが持ってきてくれるのは、おもにチョコレートなどのお菓子とやや控えめなんですが、大きくて長い靴下いっぱいにプレゼントがぎゅうぎゅう詰めにされたその様子はなんとも幸せな気持ちにさせてくれます^^



イタリアでは一戸建てばかりでなくマンションなど集合住宅でも各家庭に暖炉が設置してあるところが多いので、16日のBefanaの朝には、このお菓子でパンパンにふくらんだ靴下が暖炉前にぶら下げられて、子どもたちがワイワイ言いながらそれぞれの靴下の中身を確かめるというのがイタリアの家庭でよく見られる光景です。
この写真はLecceにあるFracciaの実家の暖炉に並んだ靴下やプレゼントの様子です。

靴下の中身ですが、それまでの一年のあいだ良い子だったならばチョコやキャンディーがいっぱい☆しかしあまり良い子にしてなかった子供の靴下の中は…炭のかけらが!!ということも時々あるそうですが、僕たちは今まで一度も炭をもらった子には会ったことがありません。いい子ばっかりです^^
しかし怖いですねー、きっとどこかでBefanaのおばあさんが見てるんですよぉー(笑)
クリスマスプレゼントほどではないですが、大人もまざってお菓子以外にもちょっとしたプレゼントの交換が家族同士でされたりもします。
それからBefanaの日に他のどういうイベントが行われるかというと…とくにはありません() そう、なんとなくお菓子やプレゼントがもらえてしまう、ただただみんながラッキーでハッピーになれる、そんな日なのであります☆



しかしとにかくことあるごとに家族や友人と集まるイタリア人のこと、Befanaの日も家族や友人と集い食事をするのが習わしです。


これは私たちFracciaMacciaが去年のBefanaをサレントの家族と過ごした際に、おばさんのSilvanaが作ったケーキです、かわいいでしょう?
ピスタチオの黄緑のクツシタをかたどったケーキの上の方にはBefanaがまたがって空を飛ぶほうき、そして下のかかとあたりには炭を連想させるチョコレートのデコレーションが見えますね。
「Viva la Befana(ビバ・ラ・ベファーナ)=ベファーナばあさんバンザイ」 と書いてあるのがわかりますか?
Silvanaおばさんは料理もお菓子も作るのがとても上手なので、今度はなにを作ってくれるのかな?とみんながいつも楽しみにしているんです。




ところで、Befanaというのはヨーロッパの中でもイタリア独特の行事で、ちょっと珍しいもののようなんです。しかも1月6日というのはなんとも中途半端な感じがします。それにまたなぜ魔法使いのおばあさんが主役に?!いったい起源はなんだったのか?ご一緒にひも解いていってみましょう。







そもそもこのBefanaという行事は、もともと「Epifania(エピファニーア)=御公現祭(?)」といい、クリスマスに行われるキリスト教の行事の一部だったそうです。
どういうストーリーかといいますと…
イエスキリストが誕生した夜(つまり1224日のクリスマスイブ)空にひと際明るく輝く1つの星が地上の一点を明るく照らしているのを見た「東方の3博士」(イタリアでは「3人の魔法使い」とも呼ばれるそうです)たちは、救世主の誕生だと悟り、その星をたよりにお祝いのプレゼントを持ってイエスキリストのもとへと向かうわけなんですが、旅すること12日目、3博士がようやく赤ん坊のイエスキリストのもとへ到着したのが15日の夜だったということにまつわるのだそうです。
なるほど、それで今でも子どもたちが主役でプレゼントをもらうってワケなんですねー!



その様子を表したルネッサンス期の名画をご参考までに…


「Adorazione dei Magi(東方三博士の来訪)」1487年
Domenico Ghirlandaio(ドメニコ・ギルランダイオ)作
フィレンツェ・ウフィッツィ美術館所蔵


余談ですが、このギルランダイオという画家は、ルネッサンスの巨匠ミケランジェロの最初の師匠だった人として有名です。
おもに聖書からテーマをとった宗教画が多いのですが、そこに描かれ登場するのは当時フィレンツェの街に生きていた人々のいきいきとした生身の姿で、むしろ世俗的なルネッサンスを表現しているといわれています。




現在でこそクリスマスの方が圧倒的に大きな行事となっていますが、伝統としてはBefanaの方がずっと古く、というのも先に書いたキリスト教のストーリーからだけ始まったというわけでもなさそうで、古代ギリシャ神話に大きく影響を受けた古代ローマ帝国時代のお祭りの慣習から生まれたという説もあるそうです。


実際ほんの半世紀前まで、Fracciaのお父さんやお母さんが子どもの頃には、Befanaの時しかプレゼントをもらうという習慣はなかったそうなんですよ。それほど最近までクリスマスプレゼントという習慣がなかったなんて驚きですねー、いまでは世界中で当たり前のようになっているのに。
イタリアの人たちによると、「これもアメリカ資本主義の影響だ」なんて言ってます(苦笑)


さーてそろそろ「Befana」の前編も終わりに近づいてきましたが、いかがでしたか?
今回も不思議発見していただけたでしょうか?まだまだBefana後編につづきますよー♪


それでは皆さんまた、ciaoooooooooo!!




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★ 次回予告 ★
次回の「Befana」(後編)では、主役がいよいよ登場☆ ふしぎなキャラ"Befanaおばあさん"に迫ってみたいと思います、お楽しみに!

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