イタリアのかかとってどんなところ?

イタリアのかかとってどんなところ?

"Cartoline dal Salento" = サレントからの絵はがき

南イタリアのサレント。
その土地や、そこで人生を謳歌する人々の姿をイキイキと感じられる絵はがきの
ようにお届けしたい、そんなイメージでスローライフなブログを綴っています。
サレント郷土料理のレシピやイタリア語のワンポイントレッスンも登場します。
どうぞごゆっくり、楽しんでいってくださいな^^

2010/01/21

イタリアの伝統行事「Befana」(後編)

みなさんCiao! Come state?お元気ですか?




昨日は暦の上で大寒だというのに15°以上と異常な暖かさでしたね、今日もあったかいようで…
寒暖の差が激しいですから、みなさん体調管理に気をつけくださいね!かく言うMacciaは先週からズルズルと風邪が長びいてまして…
風邪はイタリア語でraffreddore(ラフレッドーレ)といいます。面白いのは、この名詞の中にfreddo(フレッド=「寒い・冷たい」の意)という単語がかくれてます。風邪をひくと熱が出て体温が実際には上昇しますが、日本語でも「悪寒」というように、やっぱり感覚としては寒気を感じますもんね?
ついでにfreddoと反対に「暑い・熱い」はイタリア語でCaldo(カルド、発音はカゥドにより近く)といいます。
夏にサレントへ行くと、燦々と照りつける太陽の下、青い海でもどこでもよくこのCaldoというのを耳にすることになります^^


さてさて今回は、前回ご紹介した「Befana(ベファーナ)」の後編をお届けしたいと思います☆
前回もチラッと登場しましたが、子どもたちとともにこの日(1月6日)の主役となるのは、やはりBefana、魔法使いのおばあさんです。
1月6日や、この行事そのものをBefanaとよびますが、主役の魔法使いのおばあさんの名前がBefanaです。


このBefanaばあさん、クリスマスのサンタクロースと比較すると非常に興味深いキャラクターなんです。
あ、ちなみにサンタクロースはイタリア語でBabbo Natale(バッボ・ナターレ)といいます。
Babbo = お父さん(" papa` "の古い言い回し)
Natale = クリスマス
「クリスマス父さん」とはこれまたずいぶんとストレートな表現です☆(笑)



Befanaは、みにくいおばあさんの姿をしていて、ほうきに乗って空を飛び、煙突と暖炉から家に入ることができます。
まさに典型的な魔女のイメージです、子どもたちにとってはさぞかし恐ろしいことでしょう。


たとえばイタリア語で「befana」という単語は一般名詞として、「醜い女性」を指します。
イタリア人の女性にまかり間違っても”Sei una befana.”なんて言わないように気をつけてくださいね(笑)
sei = essere(be動詞)の二人称現在形(文法アレルギーの方がいたら、スミマセン!)


子どもたちにプレゼントを届けるため家の煙突から入るというあたりなどサンタクロースと行動パターンが思い切りかぶってますが、一方のサンタクロースが子どもにも大人にも愛されるキャラクターなのにたいし、Befanaは一見すると、とても人気が出そうなキャラにはみえません。
それでも何世紀にもわたって人気があるんだから不思議だなぁー。


しかし、思えば日本にも秋田の「なまはげ」なんていう子どもにとってこわーい伝統行事&キャラがありますね。きっと古今東西を問わず親たちは、子どもをしつけるうえで「ちょっと強引で得体の知れない怖さを持った何者か」の力を借ると便利(?)なのかもしれません。
皆さんはどう思いますか?
とにかくベファーナはその点、いい子にしているとちゃんとご褒美までくれるわけですからずいぶんと優しいものです、怖いばかりじゃないんですね。


話が脱線しますが、Macciaは子どもの頃、遊びに行って約束の時間までに帰ってこなかった時には、「外の子になってしまいなさい!」と家に入れてもらえないのが怖くてしかたがありませんでした。「ソトの子」の「ソト」って漠然としてますが想像してみてください、なんとなく怖いでしょー?(笑)皆さんもそんな記憶ありますか?


さてさて話を戻しますが、そんな怖いイメージと優しい顔をあわせ持つBefanaですから、なんだかぜんぜん憎めないんですね。イタリアにはBefanaのための童謡だってあります。
♪♪♪
La befana vien di notte (ベファーナは夜にやってくる)
Con le scarpe tutte rotte(ボロボロの靴を履いて)
Col vestito alla romana (ローマ風の服を着て)
Viva, viva la befana! (ばんざい、ばんざいベファーナ!)
♪♪♪
(音声をお届けできず残念…)
もうここまでくると、Babbo Nataleにもひけをとらない国民的人気者です。
親しみがわいてきます。
なぜローマ風の装いなのかはこの童謡をずっと歌ってきたFracciaもよく分かりません。やはりローマ時代の祭りに起源を持つからなのかな?


キリスト教の祭りとそれ以前の土着の伝承や習慣などが混ざって今日まで続いてきた行事という点では、アングロサクソン系やケルト系の土着の慣習とキリスト教のお祭りがまざって始まったというハロウィーンにどこか似た成り立ちを感じさせます。



昨年のBefanaをLecceで過ごした私たちは、家族や友人が集まってのお昼ご飯のためにこんなものを作ってみたんです。
日本から持っていった割り箸を削り、古い暖炉用の手ほうきの穂先をカットして作った小型の「魔女の空飛ぶほうき」です。
集まる人数が多いので、家族や友人が集まって食事をする時にはテーブルに、各自の名前の書いてあるこういう小さな飾付けを置いておくのですが、クリスマスやBefanaなどイベントごとに作るこういう飾りつけ作りも楽しみのひとつです。




イタリアで「クリスマス」というと、その期間はだいたい1224日のクリスマスイブから年末年始も含めてこのBefanaがある1月6日までの期間のことを指します。この間の約2週間がずっとクリスマスだという感覚なんですね。
そしてBefanaが終わるとクリスマスも終わり、また日常生活が始まるなー今年も頑張るぞといった感覚のようです。多くの学校もBefanaが過ぎると授業が再開されます。
そして各家庭でも、クリスマスツリーはじめとする飾りつけをそろそろ片づけるというタイミングです。


ちなみにクリスマスイブはイタリア語でVigilia di Natale(ヴィジリア・ディ・ナターレ)といいます。たんにVigilia(ヴィジリア)だけで使うことも多いです。


さぁて、今回も終わりが近づいてきました。イタリアのお正月イベント第2弾ということでBefanaをテーマに前後編の2回にわたって書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?ちょっと今回は写真が少なかったかなー?


ハロウィーンは最近日本でだんだんと広まっているように感じますが、Befanaはお正月と時期がかぶっているし、まず日本で広まることはないだろうなぁなんて思いつつ、FracciaMacciaの家では今年もBefanaの朝には、お菓子がぎゅうぎゅう詰めの靴下がぶらさがりました^^


それでは皆さんまた、a presto!(ア・プレスト=また早くお会いしましょう!)

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★ 次回予告 ★
次回はイタリア料理界の奇才、地元Lecce出身でサレント郷土料理とモダン料理のフュージョンを試みる料理研究家、Tonio Piceciさんについて書いてみたいと思います。お楽しみに!


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